2016年12月7日、富士通は台湾・台北で「Fujitsu Asia Conference Taipei」を開催した。「Human Centric Innovation - Driving Digital Transformation」をテーマに、台湾の識者や富士通の担当者が、IoT(Internet of Things)、AI(人工知能)、FinTechといった最新テクノロジーやソリューションについて話した。講演には、日本や台湾での最新テクノロジーを活用した事例について、200人以上が聴講した。

スパコン「京」の海外初事例は台湾

 オープニングスピーチでは、富士通の執行役員Asiaリージョン長である広瀬敏男氏が登壇した。広瀬氏は富士通の歴史などを紹介。台湾でも、よりよい未来のために最新のICTを活かしたソリューションを提供していくと挨拶した。

写真1●富士通の広瀬敏男執行役員Asiaリージョン長

 次に富士通台湾社長の池上一郎氏が登壇し、台湾における同社の活動や動向について話した。その中でスーパーコンピュータ「京」について触れ、交通部中央気象局(気象庁に相当)が数値気象予報システムとして活用していることを紹介した。これは京の海外輸出で初めての事例だという。京を活用して計算を高速化することで、台風の進路予測の精度が向上し、これまで市単位だった予測が町単位でできるようになった。

写真2●富士通台湾の池上一郎社長

 オープニングに続くゲストスピーチでは、行政院科技会報執行秘書の郭耀煌氏が、台湾政府が推進している「DIGI+2025」(デジタル国家・イノベーション経済発展計画)を紹介した。DIGI+2025は2017年から2025年にかけて台湾政府が推進するプロジェクト。デバイスなどの製造分野で強みを持つ台湾が、ICTを駆使して企業の経営能力を高め、ソフトウエアやサービスの分野を強化しようとしている。目標は、2025年までに台湾のデジタル経済の規模を6.5兆台湾元(約23兆円)に成長させることだ。

 これらのスピーチを受ける形で、富士通の執行役員常務・グローバルマーケティング部門長である阪井洋之氏が基調講演。デジタル革新の重要性について語った。阪井氏はデジタル革新で得られるものとして、ビジネスモデルの変革、事業の卓越性、顧客との親密性、商品の優位性を挙げ、その実現のためには人、情報、インフラ(もの)をつないでイノベーションを起こす必要があると説明。そのソリューションとして、同社のデジタルビジネス・プラットフォーム「MetaArc」について説明した。MetaArcは2015年に日本国内でスタート。2017年にはシンガポールでサービス提供を始め、アジア展開を進めるという。

写真3●富士通の阪井洋之執行役員常務グローバルマーケティング部門長

 阪井氏はAIの「Zinrai」についても話した。具体例として都市監視ソリューションを挙げ、「監視カメラが捉えた映像が人か車かを瞬時で判断し、車であればメーカーや車種、色までを認識できる」など、その有用性を強調。これらの先進技術を駆使し、台湾の企業・組織とともにデジタル化を推進していきたいとの姿勢を示した。

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