情報通信研究機構(NICT)は2016年11月1日、「うるう秒実施に関する説明会」を開催した。次回のうるう秒は2017年1月1日に実施される。通常の日にはない「8時59分60秒」が挿入され、1日の長さが1秒長くなる(写真1)。

写真1●2017年1月1日に実施される「うるう秒」についての情報通信研究機構(NICT)の説明資料
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 電磁波研究所時空標準研究室の花土ゆう子室長は「情報システムで思わぬ誤動作が起こる可能性がある。前回のうるう秒以降にシステムを入れ替えたりしている場合は特に留意すべきだ」と注意を呼び掛けた。

 前回のうるう秒は平日の2015年7月1日に実施された(写真2、関連記事:18年ぶり平日のうるう秒「8時59分60秒」経過、東証は混乱なし)。次回は正月休み中に実施される。「平日だった前回に比べて稼働機器の絶対数が少ない分、誤動作の影響が広まりにくいという安心感がある。ここ数年でうるう秒に対する理解もかなり進んだ。だが時刻を扱う機器は千差万別で、どこが危ないかを特定しにくい難しさもある」(花土室長)とした。

写真2●2015年7月1日のうるう秒実施時に、情報通信研究機構本部の時計が示した「8時59分60秒」
(出所:情報通信研究機構)
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 NICTは日本標準時(JST)を決定・維持している。時刻には地球の回転(自転・公転)の観測データに基づく「天文時」と、人工的に刻まれる「原子時」がある。国際協定により、1958年以降は全世界で原子時が使われている。天文時と原子時の間にはズレが生じるため、これを補正するために1972年からうるう秒の制度が始まった。

 「うるう年」とは異なり、うるう秒は天文観測結果を見ながら不規則に挿入される。情報システム障害を誘発するなどのデメリットが大きくなったため、1999年ごろからうるう秒廃止に向けた国際的議論がなされている。2015年の「世界無線通信会議(WRC-15)」でも議題に上った。日本や中国、米国などは「廃止」を支持したが、英国やロシアなどは「現状維持」を支持。結局、意見がまとまらず、2023年までは現状を維持することを決議。現状のうるう秒制度がしばらく続くことになったという。