米Googleは2016年7月20日(米国時間)、同社のAI(人工知能)研究部門である「Google DeepMind」の機械学習技術を採用することで、データセンターにおけるサーバーなどの冷却に使用する電力を40%削減できたと発表した。データセンターの省エネ指標である「PUE」では15%の改善に相当する。

 DeepMindはディープラーニング(深層学習)と強化学習を組み合わせた「Deep Reinforcement Learning(深層強化学習)」を開発しており、同技術は7月20日に囲碁の世界ランキング「Go Ratings」で世界一になった「AlphaGo」にも使用されている。今回Googleはこの技術を採用して、データセンター設備の稼働状態や気候などに応じて冷却設備の設定を最適化することで、冷却設備の消費電力を最小化するAIを開発した。

 Googleはデータセンター内に数千個のセンサーを設置し、データセンターの各設備の温度や消費電力、ポンプの速度、各種設定といったデータを蓄積している(写真)。Googleは「ニューラルネットワーク」に、これらの稼働データと冷却設備の消費電力との間にあるパターンを学習させた。

写真●Googleのデータセンターにある冷却設備用の配管など
出典:米Google
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 ニューラルネットワークはこうしたパターンを学習することで、データセンター内部や外部の環境に合わせて冷却設備の運用をどう変更すれば、冷却設備の消費電力を最小化できるか、冷却設備の「運用シナリオ」が分かるようになった。またニューラルネットワークにデータセンター周辺の気温と気圧の時系列データを学習させることで、1時間後のデータセンター周辺の気候を予測できるようになった。

 Googleはこれらの分析結果を活用して、1時間後の気候や設備の稼働状況を予測した上で、その状況に最適な冷却設備の運用シナリオを適用するシステムを構築。予測に基づいて冷却設備の運用を細かく調整することによって、冷却設備の消費電力を最大40%削減できるようになったとしている()。

図●AIに運用を任せた場合のデータセンター電力消費効率
AIに運用を任せた「ML Control On」から「Off」までの間、電力消費効率が改善した(出典:米Google)
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