NTTデータは2017年12月10日、人工知能(AI)の予測モデルの精度を監視し、精度の低下を検知すると予測モデルを自動で更新する技術「AICYCLE(アイサイクル)」を開発したと発表した。AIを活用するNTTデータのITサービスとAICYCLEを組み合わせ、2018年1月から提供を始める。

「AICYCLE」の概要
出所:NTTデータ
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 AIの予測モデルは環境変化により構築当初よりも精度が低下する場合がある。従来、精度を維持するにはデータサイエンティストが学習データやアルゴリズムを選び直すなどして人手により予測モデルを更新する必要があった。AICYCLEを導入すればその業務を自動化できる。

 AICYCLEはAIの精度が設定した閾値を下回ると自動で利用する学習データやアルゴリズムを選び直す。一定期間の最新データに絞るなど、学習データの選び方は事前に数パターンを用意しておける。それら数パターンの学習データや複数のアルゴリズムを使って予測モデルを複数構築し、最も精度の高い予測モデルを適用し直す。

 予測モデルを再構築しても精度が要求水準を満たさない場合、AICYCLEは予測モデルの運用を停止する。データサイエンティストは保存された過去の収集データや予測結果を利用して再度新しい予測モデル検討し直すことができる。

AI予測モデルの精度を監視する画面例
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 AICYCLEはNTTグループのAI技術「corevo」をはじめ、DataRobotやAWS(Amazon Web Services)、Microsoft Azure、GCP(Google Cloud Platform)などが提供する機械学習サービスでも利用できる。これらのサービスとAICYCLEをAPI(アプリケーション・プログラミンング・インタフェース)などを通じて接続することで、NTTデータは様々な顧客要件に合わせてAICYCLEを提供する。

 発表に先立ち、NTTデータは三菱重工航空エンジンの製造現場にAICYCLEを導入する実証実験を行った。AIを利用するのはジェットエンジンに使うブレードの製造工程だ。具体的には品質データに基づく不適合製品の発生予測やその原因となる設備や異常内容をDataRobotの機械学習で推定する。従来は2カ月必要だった予測モデルの更新を2分に短縮し、事前対策によって不適合製品の発生割合を47%削減できたという。