NTTドコモは2017年10月18日、スマートフォン(スマホ)ユーザーの音声を認識してニーズに合った情報を提供するAIエージェント機能を2018年春から提供すると発表した。同社以外の企業もAIエージェント経由でサービスを提供できるようAPIを開放する。現時点では20社以上のパートナー企業との連携を計画している。

AIエージェント機能を発表するNTTドコモの吉沢和弘社長。「スマートフォン・タブレットで実現する」と強調し、新製品が相次ぐスマートスピーカーと一線を画す姿勢を示した
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 ドコモがこれまで提供しているスマホ向けサービス「しゃべってコンシェル」に、NTTグループが提供する人工知能(AI)「corevo」の一部を取り込んで機能を強化。2017年6月に発表したAIエージェントのパートナープログラムに参画した20社以上のサービスについて、音声で呼び出して利用できるようにする。

 この日の発表会では具体例として、(1)その日の天気やスケジュールに応じて起床アラームの時刻を前倒しする、(2)ユーザーの現在地を踏まえて近くの店舗などのお買い得情報を通知する、(3)ユーザーの行動パターンを把握して「いつものお店のお買い得情報」といった個人ごとにカスタマイズした情報を通知する、といった機能を提供予定であることを示した。

 ドコモは先行サービスとして、2017年秋に一部機能を提供する。具体的には、AIエージェントアプリから「dヒッツ」「dグルメ」「radiko.jp」にデータを引き渡して音楽や料理を検索したり、その日の最新ニュースを読み上げたりできるようにする。

発表会のデモ会場では、吉沢社長自らが報道陣にAIエージェントの機能を説明する時間が設けられた
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 AIエージェントを巡っては、米アマゾン・ドット・コムや米グーグル、LINEなどがスマートスピーカーを2017年秋~冬に相次いで国内発売するなど、各社の先陣争いが過熱している。一方でドコモは「AIエージェントの中心となるのはスマホとタブレット」(吉沢和弘社長)として、自社でスマートスピーカーを市販する考えはないとする。

 同社は競合他社のAIエージェントに対し、しゃべってコンシェルで培った日本語の音声解析のノウハウや、3500万件超に上るスマホやタブレット端末のユーザーを生かすことで迎え撃つ方針だ。年末商戦向けに発売される他社のスマートスピーカーに対しては、先行して一部機能を提供することでアピール力を強める狙いとみられる。

 一方で吉沢社長は「AIエージェントのサービスは、さまざまなベンダーやサービサーと協業することで確かなものにしていく。その枠組みのなかでAPIは全部開くので、端末はどんどんサードパーティーに開発してほしい。いろいろなバリエーションの製品がサードパーティーから出てくることが良い循環につながると思う」と語り、パートナー企業によるスマートスピーカーの開発は歓迎する方針を示した。