三菱地所と東京・丸の内の地域冷暖房供給会社である丸の内熱供給など4社は2018年2月6日、東京・丸の内エリアの地下に設置されているトンネル内の設備点検に自律飛行型のドローンを使用する実証実験を実施した。現在は作業員が担っている狭小トンネル内の点検業務の一部をドローンに置き換えることを目指す。

実証実験で使用した小型ドローン
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 実験は東京駅前の「丸の内オアゾ」と、道路を挟んで向かい側にある「三菱UFJ信託銀行本店ビル」とを地下で結ぶ、丸の内熱供給のトンネルで実施した。丸の内エリアではボイラーなどによる大気汚染を防ぐ目的で、三菱地所などエリア内の地権者が共同出資する丸の内熱供給が地域冷暖房システムを整備・運営している。この地域冷暖房を拠点からエリア内の各ビルに届けるため、丸の内エリアの地下にはトンネルが整備されている。

トンネル内を自動で飛行しながら配管を撮影するドローン(中央)
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 トンネルは内径2.6mの円形。左右に冷暖房用の配管が設置されており、中央に幅60cm×高さ2.6mの通路がある。現在は丸の内熱供給の作業員が2カ月に一度、通路を歩きながら目視で配管の漏洩や腐食、トンネルの破損や漏水、付帯設備の腐食や異音などがないかを確認していた。こうした点検作業は、通路が狭いことや目視であること、さらにトンネル内に空調設備がないことから作業員の負荷が大きかった。

 実験にはハードウエアベンチャーのLiberawareが開発した幅150×奥行き200×高さ40mmと小型のドローンを使った。全方角の障害物を検知できるようドローンに複数個のレーザーセンサーを取り付け、さらに正面と底面にカメラモジュールを装着して、現在地の把握と障害物の自動回避、配管の撮影などができるようにした。併せてドローン関連ベンチャーのブルーイノベーションが開発したドローン制御ソフトを使い、あらかじめ指定したトンネル内のエリアを自動飛行して映像を拠点に伝送させた。

 ビル地下の配管用トンネルは通路幅が狭いうえGPS(全地球測位システム)が使えず、鉄パイプが張り巡らされていて地磁気も安定して計測できないという、「一般的なドローンにとっては飛行させづらい環境」(ブルーイノベーション)。今回の実験の意義はこうした環境でも小型の機体とセンサー、画像認識技術を使うことで「ドローンを業務に使えることを確認できた」(同)ことにあるとする。実業務への展開は未定だが「点検業務を人とドローンで分担し点検品質を向上させたり、大地震などの発生直後にまずドローンを使って安全点検をしたりといった用途が考えられる」(丸の内熱供給)としている。