すかいらーくは2018年2月5日、スタディストが提供するマニュアル作成・共有サービス「Teachme Biz」を導入したと発表した。既に同社の「ガスト」1367店舗で利用を開始済み。2018年3月から「バーミヤン」「ジョナサン」などの主要ブランドにも導入し、その後グループの全ブランド約3000店に導入する予定だ。

 Teachme Bizは、スマートフォンなどの端末で簡単にビジュアル中心のマニュアルや手順書を作成し、共有するサービス。スタディストによれば、一般的なマニュアルの作成時間に比べ5分の1程度の時間短縮につながるという。「マニュアルには、作る、配る、更新、管理の四重苦があり、それらを解決するサービスだ」(スタディストの庄司啓太郎取締役COO)。

 2013年に事業開始以降、国内外で約1800社の導入事例があり、飲食業では、キリンシティやジェイアール東日本フードビジネスなどが導入している。すかいらーくは、2017年3月から約30店で実地検証を始め「メニュー改定の際の習熟度や従業員の満足度で効果が出た」(すかいらーくの金谷実常務執行役員)ことから、本格導入に踏み切ったという。特に、従業員自身のiPhoneなどでマニュアルを見られるようにしたこと(BYOD)によって、利用率が上がっているという。

記者会見したすかいらーくの金谷実氏(左)とスタディストの庄司啓太郎氏
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 すかいらーくでは約10万人が店舗で働いているが、そのうち約5万人が毎年入れ替わる。「応募件数や採用率は比較的高く、人手不足対策ではない。それ以上に、定着率を図る必要に迫られている」(金谷氏)。過去、学生であれば月間100時間働く人もいたが、現在は40時間程度しか働かない学生がほとんどだという。メニューが頻繁に変わるような業態ではなおさら定着率が低く、「オペレーションが難しいので辞める」という退職理由が多かった。

 逆にしゃぶしゃぶ業態の「しゃぶ葉」では、「キッチンでは野菜を切って、出すといった作業が多い。ホールでは、聞くべきことも肉の種類くらいといった具合に簡単なオペレーションで済むため、定着率が他業態に比べて、約10%高い」(金谷氏)。

 外国人労働者の活用にも一役買うという。「外国人向けのマニュアルは文字だけでは対応できない。動画を入れることで効率化でき、外国人の採用も促進できる。ここはマネジャーが一番苦労するポイントだった」(金谷氏)。

すかいらーくのマニュアルを「Teachme Biz」で効率的に配信できるようにした
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 すかいらーくは2017年11月に、筆頭株主だった米ベインキャピタルが保有するすかいらーくの全株式を売却すると発表。「名実ともにパブリック企業になった。それまではややもすれば目先の利益を優先せざるを得ないことも多かったが、先行投資として店舗や従業員に積極的に投資していける環境が整った」(金谷氏)。2018年夏には100億円を超える店舗への投資も発表しており、積極的に中長期的なブランド育成に取り組むことを改めて強調した。