日立製作所は2018年1月31日、2017年4~12月期連結決算を発表した。売上高は前年同期比2.4%増の6兆6740億円、営業利益は同27.2%増で1014億円増の4745億円と、増収増益だった。

 営業利益は「第3四半期と第3四半期累計の双方で過去最高となった」(西山光秋執行役専務CFO)。日立物流や日立キャピタル、日立工機の再編で3060億円の減収影響があったが、事業拡大などの影響が3007億円、為替によるプラス影響が1600億円あり全体で増収となった。西山CFOは第3四半期と第3四半期累計の営業利益が過去最高になった要因について、(1)情報・通信システムの収益レベル改善、(2)社会・産業システムの赤字や低収益事業の絞り込み、(3)建設機械における事業環境の好転──の3点を挙げる。

日立製作所の西山光秋執行役専務CFO(最高財務責任者)
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 事業部門別に見ると、「情報・通信システム」の売上高は前年同期比1%増の1兆4130億円、営業利益は同266億円増の1183億円と増収増益だった。国内SI事業が堅調で、特に金融や公共・社会分野が伸びた。「金融は大手銀行を中心にIT投資が加速している。海外案件やビッグデータ、人工知能(AI)、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、銀行間のAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)連携などが進んでいる」(西山CFO)。営業利益率は前年同期比1.8%増の8.4%に改善した。

 日立が注力するIoT基盤サービス「Lumada」関連の事業は、2017年4~12月期の売上高が6770億円と、進捗率が年間見通し9500億円の71%となった。計画では65%だったため「計画以上の進捗で、通期では9500億円を超えると見込んでいる」(西山CFO)。新日鉄住金と共同実証を進めるAIを活用した生産計画立案サービスや、住信SBIネット銀行と検討するAIを活用した審査サービスなど、様々な業種と実証実験を進めており、今後大きな売り上げに貢献すると期待する。

 日立は同日、工作機械を手掛けるファナックやディープラーニング技術を中心としたビジネスを展開するPreferred Networks(PFN)と共同で、2018年4月2日付で合弁会社を設立することに合意したと発表。産業・社会インフラ分野のエッジデバイスにAI技術を組み合わせた「インテリジェント・エッジ・システム」の開発を目指す。新たに設立する会社の社長には現在日立で執行役副社長を務める齊藤裕氏が4月1日付で就任、ファナックの副社長執行役員と兼任する。齊藤氏は日立の執行役副社長について2018年3月31日付で退任予定。

 2018年3月期の通期業績予想については据え置いた。