省庁が保有する情報をオープンデータとして公開を求める「第1回オープンデータ官民ラウンドテーブル」が2018年1月25日に開かれた。ぐるなびなど4社が省庁にオープンデータ化や更新頻度などのニーズを訴えた。

写真 第1回オープンデータ官民ラウンドテーブル
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 オープンデータは、営利目的を含め、無償で二次利用や機械判読が可能なデータ。第1回は省庁が保有する飲食店や訪日外国人、公共交通の関連情報について、企業が想定するユースケースを披露。省庁がオープンデータ化の課題を説明し、オープンデータワーキンググループの有識者も加わって議論した。

 このうち飲食店関連では、ぐるなびが全国144の自治体が食品衛生法に基づいて許可権限を持つ飲食店の営業許可申請書や保健所の営業許可・停止状況、廃業届についてオープンデータ化を求め、「外食利用者や新規店舗開業者の双方にメリットがある」と訴えた。

  食品衛生法を所管する厚生労働省は利用できる情報の即時性や内容に制約があるとして、「廃業届がないまま保健所の許可が失効するケースが多い」ことや、「それぞれの自治体の事情がある」と説明した。ただ東京都はすでに食品営業許可台帳をオープンデータ化しており、内閣官房IT総合戦略室は「自治体向けのオープンデータの標準形式である『推奨データセット』に加えるよう厚労省と検討する」と述べた。

 訪日外国人関連については、観光庁のオープンデータである「訪日外国人消費動向調査」に対して、ウイングアーク1stが調査項目の充実を求めた。外国人が訪日前に参考にしたFacebookやTwitterといったSNSの具体的な名前の選択肢の追加や、入国時に利用した空港や海港も集計できるよう要望した。

 観光庁は「SNSの具体名は公的統計としてなじまないのではないか」と述べ、入国した空港や海港についても「公的統計調査のサンプル数として信頼性が足りない」と説明した。ただ、有識者からは「サンプル数の少なさが公開できない理由ならば、ニーズから逆算してどのくらいのサンプル数や公開頻度があれば良いか検討してほしい」と再考を求める場面もあった。

 一方、法務省入国管理局は入国カードに記載された出入国管理情報を基に統計データを作っているとして、「出入国時の空港や海港は統計として作成できるのではないか」と答えた。

 さらにウイングアーク1stは国税庁に訪日外国人の免税品購買データのオープンデータ化を求めたが、国税庁は「免税品の購入記録票には外国人旅行者の個人情報のほか、品名や価格などの店舗の営業秘密が含まれるので職員は厳格な守秘義務が課されている。匿名化や法令の手当てが必要」と述べた。

 公共交通関連については、ジョルダンと凸版印刷がリアルタイムの運行情報や、駅構内図やバリアフリー経路のオープンデータ化を求めた。リアルタイムの運行情報によって輸送障害が発生した際に代替ルートの到着予想時刻が比較できるようになり、鉄道事業者が個別に作成している駅構内図も利用者にとって分かりやすくなるという。

 国土交通省は2018年度に官民連携の実証実験を行って公共交通事業者の理解を求めると応じたものの、有識者からは「公共交通のあるべき姿やビジョンを示すことは国土交通省にしかできない」とオープンデータ化に踏み込むよう求める意見が出た。