カメラで動画を撮影する際に手ぶれを低減する機材。カメラを持ったまま移動しても、安定した滑らかな映像が撮れる。センサーやモーターの小型化、低価格化のおかげで、手軽に購入できる製品が急速に増えた。

 カメラを手で持って撮影すると、手ぶれが起こる。特に歩きながらの動画撮影や、手ぶれ補正機能が十分でないスマホのカメラによる撮影では、画面が大きく上下したり傾いたりしてしまう。スマホで撮影した動画を後から見ると、画面が大きく動いて見るに堪えないという経験は誰しもあるだろう。

 そんな場面で活躍するのがジンバルだ。カメラを手で構えたまま移動してもカメラは一定の姿勢を保ち続けるため、まるで映画のカメラワークのように滑らかな映像を撮影できる。

 以前から業務用としては、重りを使ってカメラのバランスを取るスタビライザーが使われていたが、現在主流のジンバルはブラシレスモーターとジャイロセンサーを搭載し、電子制御でカメラの向きを一定に保持する。そのため機械式に比べて大幅な小型・軽量化を実現し、操作も飛躍的に容易になった。しかも、プロ向けだった機材が最近は数万円で買えるようになったため、アマチュアでも入手しやすくなった。

 カメラを水平、垂直、回転の3軸方向に対して一定の姿勢に保つモデルが多い。スマホ用やアクションカメラ用の人気が高い。身近な機材で手軽に撮影でき、「YouTube」などのサイトにプロが撮ったかのように滑らかな動画を公開できるからだ。より大きなデジタル一眼カメラに対応するモデルもある。さらに、360度カメラ用やヘルメットなどに装着できるウエアラブル型も登場するなど、用途が広がってきた。

 ジンバルのメーカーは中国勢が強い。ドローンの世界的メーカーであるDJI、自動制御機器を製造してきたFeiyu Tech、新興メーカーのZhiyunなどが代表的。DJIは2016年、ドローン映像の安定化技術をスマホ用ジンバルに生かした「Osmo Mobile」を発売した。Feiyu Techは豊富な製品バリエーション、Zhiyunはスマホ向けの1万円台からという低価格路線で勝負する。

数万円で買える製品が登場
「Osmo Mobile」(販売は DJI JAPAN)はスマホ向けのジンバル。ジンバル側のスイッチでスマホのカメラを操作できる。価格は約2万6000円
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出典:日経パソコン 2017年12月11日号 p.13
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