分散型台帳技術であるブロックチェーンを利用したプラットフォーム。プラットフォーム内で流通する仮想通貨「イーサ(Ether)」が、ビットコインに次ぐ世界第2位の時価総額を記録し、仮想通貨の新勢力として注目されている。

 イーサリアム(Ethereum)は、分散型台帳技術のブロックチェーンを用いた分散アプリケーションプラットフォームの一つ。2013年にカナダのヴィタリック・ブテリン氏が考案し、その後、オープンソースのイーサリアムプロジェクトによって開発が進められ、2015年7月にベータ版が公開された。

 このプラットフォーム上で構築し、ブロックチェーンで流通する仮想通貨を「イーサ(Ether)」と呼ぶ。イーサリアム自体が仮想通貨であると誤解されているが、正確にはイーサが仮想通貨だ。

 イーサリアム誕生のヒントになったのは2009年に運用を開始したブロックチェーンを用いる仮想通貨の代表格「ビットコイン」だ。ただし、ビットコインよりも機能を拡張しており、プログラムに柔軟性を持たせた。大きな違いは、契約情報の自動実行・保存機能「スマートコントラクト」を採用した点だ。

 スマートコントラクトは、取引とともに契約内容も管理できるため、イーサリアムはビットコイン以上に信頼性が高いといわれている。そこに大企業が着目し、2017年2月には米JPモルガン・チェースや米マイクロソフトらが「エンタープライズ・イーサリアム・アライアンス(EEA:Enterprise Ethereum Alliance)」を設立。その後、三菱UFJフィナンシャルグループ、トヨタ自動車の米子会社なども加わり、将来的な企業間取引への応用を目指している。

 イーサリアムの時価総額は2017年8月現在で3兆円を超えているといわれる。これはビットコインの約7兆7100億円に次ぐ世界第2位の規模だ。現在は投機目的が主だが、ビジネスにおける信頼性が担保されれば、さまざまな取引の中で活用される可能性がある。

仮想通貨の時価総額ランキング
CryptoCurrency Market Capitalizationsが公開している仮想通貨の時価総額から作成した。ビットコインとイーサが群を抜いている。仮想通貨は変動が大きいため、3位以下の順位は変わることが多い(2017年8月18日現在)
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出典:日経パソコン 2017年9月11日号 p.13
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。