日本発の測位衛星システムで、2018年度から本格運用が始まる。米国のGPSと補完・補強しながら運用され、高精度な位置情報を得られることから、さまざまな分野での応用が期待されている。

 スマートフォンの地図アプリやカーナビをはじめ、現在の生活に位置情報は欠かせない。2018年度から本格運用が始まる準天頂衛星「みちびき」によって、これまで以上に高精度な位置情報を得られるようになる。

 みちびきはJAXAが開発し、内閣府が運用する測位衛星システムだ。2010年に1号機、2017年に2~4号機を立て続けに打ち上げ、2023年までに7機体制にする予定だ。同様の測位衛星システムである米国のGPS(Global Positioning System)と補完・補強しながら運用される。GPSとは異なり、常に1機が日本の真上を通る準天頂軌道に滞在するおかげで、ビルや山などによる電波の反射を軽減し、国内における位置情報の誤差を非常に小さくできるのがメリットだ。

 みちびきを活用した実証も始まった。岡山県玉野市では、バスやタクシーのリアルタイム位置把握に役立てる。乗車したい車両の高精度な位置情報をスマートフォンなどに提供する実験を実施する。また、NEXCO東日本北海道支社は、除雪車の正確な位置を把握する目的で、みちびきの測位データを用いた除雪車運転支援システムを試行導入している。

 こうしたGPSを補完するサービスに加え、みちびき独自の信号を送信する「サブメータ級測位補強サービス」と「センチメータ級測位補強サービス」を提供する予定。前者は1m以内、後者は数cm以内の誤差を目指すとしており、どちらも試験サービスを提供中だ。そのほか、自然災害やテロなどの緊急時に情報を届ける災害・危機管理通報サービスの「災危通報」があり、2018年1月17日から3号機と4号機で試験サービスを開始した。

現在は4機が運用中の「みちびき」
準天頂衛星「みちびき」のCG画像。4機が打ち上げ済みで、2023年までに7機体制を整える予定だ
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出典:日経パソコン 2018年2月12日号 p.11
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