ポイントはここ!

■ハード専有型クラウドでストレージのI/O性能などを確保、大規模ERPを快適利用
■クラウドとERPのベンダーの間で協調作業と責任分界点を定義し、運用を安定化

タマホーム

 大手住宅メーカーのタマホームは2014年1月、クラウドコンピューティング上でERP(基幹業務システム)などの主要な業務システムを稼働させた。本社とITベンダーのデータセンターに分散していた54台のサーバーを、一つのクラウド基盤に集約している。通信事業者のIaaS(Infrastructure as a Services)を採用し、業務アプリケーションの機能は維持したまま、仮想サーバーにシステム群をほぼそっくり移行させた(図1)。

図1●タマホームがクラウドに移行させたERP(基幹業務システム)の概要
移行の前後を示した。ERPに加えて人事給与など他の業務システムもクラウドに集約した。クラウドはインターネットイニシアティブ(IIJ)のサービスを利用。ERPの運用業務は、導入も担当したITベンダーのJSOLに引き続き委託した。
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 移行対象の中で基幹系は、独SAPのERP(基幹業務システム)パッケージ「SAP ECC(ERP Central Component) 6.0」を使って構築した大規模システムである。構築を担当したインターネットイニシアティブ(IIJ)などによると、SAPのERPでこの規模のシステムをクラウド上で稼働させたのは「国内で初めてだろう」と言う。

 SAPのERPは大量のトランザクションを処理するために、ハードウエアに要求される処理性能を細かく規定している。この制約もあり、クラウドの採用は開発環境やバックアップ環境にとどまる例が多く、本番環境での稼働実績がそもそも少なかったという。

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