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SaaS型のTBMがCIOにもたらす価値(前)

2017/12/25

Clint Boulton CIO

 企業の最高情報責任者(CIO)は、生産コストに照らしてITサービスの価値を定量化することに長年苦労してきた。経済性に関するこうしたブラックボックスは、IT部門と業務部門の間に不信をもたらす。業務を支えるデジタル機能の導入をIT部門が進める中で、両者の溝は広がっている。そこで、Technology Business Management(TBM)を取り入れるCIOが増えつつある。ITサービスの価値を立証することを狙いとした統制だ。

 オランダKPMGのCIOアドバイザリーでプラクティスリーダーを務めるJason Byrd氏は、2017年10月に公開した調査レポートで次のように述べている。「規律としてのTBMを取り入れることで、ITのコスト、消費、成果を全社規模で一元的に透明化できる。これは精鋭のCIOにとって支えとなる」

 TBM自体は新しいものではない。これまでもCIOたちは、ITサービスの運営効率を管理するために、大がかりなスプレッドシートを作成し、時間短縮や支出削減などの情報と、サービスの実現にかかったコストを記録してきた。業務部門のリーダーから情報を求められたCIOは、目的の情報が入っているスプレッドシートを共有する。しかし、測定指標やグラフを一元的なデジタル情報として把握したいと企業幹部が考える今の時代には、スプレッドシートを共有するというモデルは持続可能性がないに等しい。

 米MaritzのグローバルITサービス担当シニアバイスプレジデント、Gerry Imhoff氏は次のように振り返る。「今から5年前、我々はIT部門の支出をきちんと掌握していたが、その情報はスプレッドシートの中に閉じ込められていて、私と財務アナリストの2人だけが知っていた」。こうしたその場しのぎの方法では、業務部門がデータを利用できない。そのことが、IT部門と業務部門の対立につながっていた。

 Imhoff氏は、TBMを自動化する米ApptioのSaaS型アナリティクス製品を導入した。Apptioの製品は、米FedExや米Cisco Systemsといった大手企業のCIOも採用している。財務データをスプレッドシートに入力し、業務部門からデータを求められないようにと願う煩わしさから解放される。例えば、FedExのCIO、Rob Carter氏は、肥大化していたアプリケーションを合理化する包括的なプロジェクトの一環として、必要性のないレガシーアプリケーションを排除し、数億ドルの削減に成功した。

 2017年11月に開催されたカスタマーカンファレンスに参加した企業数社に、Apptioを導入した経緯を聞いた。

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