都道府県CIOフォーラム第15回年次総会は、2017年8月24日と25日の2日間開催された。初日は、都道府県ごとに整備した「自治体情報セキュリティクラウド」と、各自治体での庁内ネットワークの強じん化について、効果や課題を議論した。

 両対策とも、マイナンバー制度の運用をにらんだセキュリティ強化のため、総務省が補助金を交付して要請したもの。7月18日のマイナンバー情報連携の試行運用開始までに、各自治体で稼働した。

 初めに岡山県と高知県が現状を報告。セキュリティクラウドに首長部局だけでなく学校・公営企業の接続も認める岡山県の渡邊氏は、質問に対し「教育委員会・学校は、県立校だけでなく市町村立も希望があれば認めており、いくつかは接続済み」と答えた。

応答性や処理遅延の苦情に対処

市原 敬氏
神奈川県 政策局ICT推進部 情報システム課長
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 神奈川県政策局ICT推進部の市原敬情報システム課長は、神奈川情報セキュリティクラウド(KSC)の状況を紹介した。KSCは「庁内強じん化の機能をできるだけクラウドで提供し、県内で統一したセキュリティ水準を保つことを目的に導入した」(市原氏)。

 例えばインターネット閲覧は、KSC内にSBC注1)方式の仮想デスクトップ環境を用意した上で、不具合に備えVDI注2)方式も利用できるようにした。インターネット接続系からLGWAN接続系注3)にメールの添付ファイルなどを取り込む際には、イスラエルのVotiroのファイル無害化ソリューションを利用し、逆方向にはソリトンシステムズのファイル交換システム「FileZen」を用いる。インターネットからファイル原本を取り込む場合と庁内から原本を持ち出す場合は、サンドボックスとFileZenを組み合わせて使う。

注1)SBC
Server-based Computingの略。
注2)VDI
Virtual Desktop Infrastructureの略。
注3)LGWAN接続系
自治体の庁内ネットワークのうち、財務・庶務などの庁内事務を扱うシステム。自治体間を結ぶ専用ネットワークであるLGWAN(総合行政ネットワーク)に接続される。マイナンバーを扱う個人番号利用事務系とともに、インターネット接続系とは分離する必要がある。

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