業種を問わず急ピッチでIoT(インターネット・オブ・シングズ)の活用が進むにつれて、IoTの導入を担うエンジニア不足の問題が浮上している。経済産業省はIoTや人工知能(AI)を担う先端IT人材が2020年に4万8000人不足すると予測している。

 現在のIT人材は「IoTエンジニア」として必要なスキルをどれだけ持っており、どのような意識でIoTに臨んでいるのか。どんなスキルを強化したいと考えているのか──。IT人材のスキルキャリアを研究するNPO法人「ITスキル研究フォーラム(iSRF)」はこれらを明らかにするため、国内初となる本格的なIoTエンジニア調査を実施した。その結果を報告する。

IoTエンジニアの多岐に渡る役割

 一口にIoTエンジニアと言っても、役割は企画・戦略立案からシステムの開発・運用、プロジェクト運営まで多岐にわたる。iSRFはIoTエンジニアの人材像や必要なスキルを定義した「IoTスキル体系」を策定している。既存のITスキル標準(ITSS)を補完する意味でITSSとの関連を意識している。

 今回の調査はIoTスキル体系の役割やスキルレベルに基づいている。IoTエンジニアの役割は9種類とした。

IoTエンジニアの人材像と平均スキルレベル(n=1946)
9種類の人材像を定義(写真:Getty Images、iStock)
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(1)IoTビジネスストラテジスト
(2)IoTアーキテクト
(3)IoTデータサイエンティスト
(4)IoTセキュリティエンジニア
(5)IoTプロジェクトマネジャー
(6)IoTネットワークスペシャリスト
(7)IoTアプリケーションエンジニア
(8)IoTエッジ/組み込みエンジニア
(9)IoTサービス運用マネジャー

 スキルレベルはITSSの7段階と異なり、4段階で定義している。レベル1(1.0~1.9:最低限必要な基礎知識を持つ)とレベル2(2.0~2.9:最低限必要な基礎知識を持ち、指導の下で要求された作業を担当できる)がエントリーレベル、レベル3(3.0~3.9:要求された作業を全て独力で遂行し、応用的知識・技能を必要とする業務を担当できる)がミドルレベル、レベル4(4.0~4.9:プロフェッショナルとしてスキルの専門分野を確立し、自らのスキルを活用して独力で業務上の課題の発見と解決をリードする)がハイレベルの人材を表す。このほか、1.0未満を「未経験レベル」としている。

 これまでiSRFが実施していたITエンジニア調査は回答者に職種(「ITアーキテクト」など)を尋ね、職種ごとに異なる質問への回答を基にスキルレベルを判定していた。今回の調査は共通の質問を回答者に答えてもらい、各回答者の(1)~(9)のスキルレベルを判定する形を取った。現時点で「自分はIoTアーキテクトだ」などと自覚しているエンジニアはいないからだ。

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