農業は2018年に本格運用が始まる日本版GPS「みちびき」を用いた高精度の測位が有効と考えられている分野の1つだ。代表的な用途としてみられているのは、トラクターなど農機の自動運転である。

 トラクターの走り方の一例として、真っすぐに進み、隙間ができないように(若干の重複を持たせて)折り返してこなくてはならない。みちびきの農業利用に詳しい北海道大学 大学院農学研究院の野口 伸 副研究院長・教授は、「従来のGPSによる自動走行も実験で試したことがあるが、精度が足りず話にならなかった。自動運転にはcmクラスの誤差での測位が必要」と話す。

トラクターの自動運転には高精度の測位が必要となる
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有人監視、無人自動運転トラクター実現へ

 現時点で既に、RTK-GPSなどによる高精度の測位を生かして、農機のハンドル操作を自動化し、手放し運転を可能にする装置が販売されている(自動運転ではないため人が乗る必要はある)。だが、衛星からの電波が届きにくい場所だと使えなくなる可能性があり、基地局設置などの負担が発生するという課題がある。

 みちびきは、衛星が真上に位置するのでより安定して利用できる。コストに関しては、まず基地局設置が不要になり安くできる可能性がある。受信機自体のコストに関して、野口教授はマゼランシステムズジャパンが開発し2018年夏に提供開始予定の約10万円の受信機に期待を寄せる。

 測位の精度に関しては「RTKは一般的に誤差2~3cmと言われる。みちびきは何度も実験した結果、RTKよりはちょっと悪いが誤差4cmだと言える。この精度であれば農業の現場なら全く問題ない」(野口教授)という。

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