楽天は2017年9月27日、都内で第3回目となる「Rakuten FinTech Conference 2017」を開催した。基調講演には、慶応義塾大学名誉教授 東洋大学教授 元国務大臣の竹中平蔵氏が登壇。「昨今の日本経済・アベノミクスの課題とFinTech革命」と題して講演した。その中で、ブロックチェーンや仮想通貨といったテクノロジーにより「銀行制度」というインフラが崩れつつある現状と、FinTechの進展における課題について見解を示した。

 竹中氏の基調講演は、世界と日本の経済状況の概説から始まった。竹中氏は、国際通貨基金(IMF)が2017年の世界経済の成長率を3.5%としていることに触れた。約4%だった「リーマンショック」以前の水準にようやく戻りつつあると指摘。日本経済もゆるやかな回復基調にあるとの見解を示した。

写真●慶応義塾大学名誉教授の竹中 平蔵氏が登壇。「FinTechにも、既存の金融業界を大きく変えてしまう力がある」と強調した
(撮影:新関 雅士)
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 ただし、竹中氏は「日本経済は常に乱気流の中にある」とみる。2016年の日本の株価動向を引き合いに出し、6月の英国によるEU離脱(ブレグジット)決定、11月のトランプ大統領就任にともなう「トランプ相場」などで「20%以上も乱高下した」と説明した。しかも、株価乱高下の要因が全て「日本の外の国々で起きたことだった」と指摘。世界の情勢が日本経済に与える影響がますます大きくっていることを示した。

 竹中氏は続けて、「世界経済には乱気流ともう一つ、『偏西風』とでも呼ぶべき新潮流が起きている」と述べた。「それが、第4次産業革命とも呼ばれる『インダストリー4.0』の動きだ」と語った。日本においても規制緩和などが進み、政府も民間企業もインダストリー4.0への取り組みを進めている。

 竹中氏は、インダストリー4.0への対応の中で、今後の重要なキーワードとして、「人工知能(AI)」「ロボット(ドローン)」「IoT(インターネット・オブ・シングズ)」「ビッグデータ」「シェアリングエコノミー」を挙げた。そして、シェアリングエコノミーの代表格である米Uberや米Airbnbによって、従来のタクシー産業や旅館・ホテル産業が大きな変革を迫られたことを説明。「FinTechにも、既存の金融業界を大きく変えてしまう力がある」(竹中氏)ことを強調した。

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