IoT(インターネット・オブ・シングズ)にも、ブロックチェーンの活用が見込まれている。現在、IoTのエコシステム形成に当たっては、システム接続機器を管理するセンターサーバーを含めたシステムの構築コストや、サイバーセキュリティへの対策などが課題であるとされている。

 その中で、機器を、ブロックチェーンで接続して分散型のシステムを構築すれば、中央での管理サーバーコストなどを削減できると言われている。また、機器同士で一定のコンセンサスアルゴリズムに従って稼働させることで、外部からの悪意あるアクセスに対する耐性を向上させ、システムのセキュリティを向上させようという考えもある。

 中長期的には、各事業者により構築されてきた複数のIoTシステムが、それぞれ接続され、広大なIoTネットワークが構築されていく。各システムは管理するサーバーを必要としないため、事業者間の合意があれば、管理者不在のままシステム同士の接続の輪は広がっていく。

 将来的には、あらゆる機器が同一ネットワークに接続され、そのような機器が取得する情報を一元化して収集・処理することが可能となるだろう。これらのデータを自動で分析し、状況に応じた命令を執行するスマートコントラクトをエコシステムに組み込むことで、広大な自律分散型組織が組成される可能性もある。

Illustration by Yumiko Comukai
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 こうした世界においては、家庭やレストランの冷蔵庫から得られた野菜の消費状況やスーパーマーケットにおける在庫、各地の天候などのデータを基に、農場における農作物の生産量を最適化するなどのシステムが構築されることも考えられる。

 また、自動車同士を接続することで得たリアルタイムな交通情報を基に、各車の走行を最適化し、さらには、乗車している人間の普段の行動傾向や身体データをスマホなどのデバイスから予測しておき、走行中の近隣店舗のレコメンド・予約・支払いを行い、一連の走行データ、消費行動で保険料率を定めるなどの用途も考えられる。

 ブロックチェーンをIoTに活用することで、現在よりも効率的でムダのない消費社会を作っていくことができるのではないだろうか。

出典:「この1冊でまるごとわかる ブロックチェーン&ビットコイン」「日経ビッグデータ」「日経FinTech」共同編集(2016年12月24日発行) p.14
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