米国では、NetflixやHuluに代表されるOTT(Over The Top)のビデオサービスの台頭により、CATV事業者の再編が進んだ。一方、通信大手も携帯電話市場の飽和を受け、映像をはじめとした新たな収益源の開拓を急ぐ。ビデオサービスの市場を巡って競争が激化しており、さらなる再編が進むとの観測が高まっている。以下では、CATV事業者を中心にこれまでの動きを振り返る。

固定ブロードバンドでCATVが約6割のシェア

 元々、米国では有料の多チャンネルビデオサービスが広く普及しており、無料の地上波放送だけを視聴する世帯はごく一部にとどまる。メディアの多様化や視聴スタイルの変化などに伴い、加入者数は年々減少傾向にあるが、現在でも全世帯の約75%が多チャンネルビデオサービスに契約している 。

 米連邦通信委員会(FCC)によると、米国のブロードバンド市場は無線サービスが全体の70%強を占める。一方、固定ブロードバンドの接続数シェアを見ると、CATVが約60%と最も高く、DSL(Digital Subscriber Line)が約27%で続く。日本と違い、光回線を活用したFTTP(Fiber to the Premises)は10%をわずかに超えた程度である。

米国におけるブロードバンドの接続数
出所:米連邦通信委員会(FCC)
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 事業者別の加入者数を見ると、大きな存在感を放つのが、ComcastやCharter CommunicationsといったCATV事業者だ。多チャンネルビデオと固定ブロードバンドのどちらの市場でも上位に位置する。収益面では依然として多チャンネルビデオサービスに軸足を置くが、加入者数ではブロードバンドサービスが上回っている。

米国における多チャンネルビデオの事業者別加入者数
出所:米Leichtman Research Group
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米国における固定ブロードバンドの事業者別加入者数
出所:米Leichtman Research Group
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