国産IT大手のハードウエア事業が不調だ。ただ、そんな中でも売れ行きが好調なハードウエア製品もある。これまで、日立製作所、富士通、NECの国内大手ITベンダーの好調製品と、その理由について取り上げてきた。

 今後、IT各社がハードウエア分野で業績を伸ばしていくにはどのような戦略が必要なのか。ガートナー ジャパンのリサーチ部門 半導体/エレクトロニクス 主席アナリストの山地正恒氏に話を聞いた。

ガートナー ジャパンのリサーチ部門 半導体/エレクトロニクス 主席アナリストの山地正恒氏
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国内ITベンダーの各分野からの撤退報道もあり、ハードウエア市場は縮小のイメージがある。実態をどのように見ているか。

 半導体の売上がハードウエア市場を測る一つの指標となる。半導体の売上ベースでいうと、2011年から2016年の5年間でグローバルでは1割くらい大きくなっている。iPhoneなどスマートフォンが普及した影響で、米国や中国を中心に伸びているためだ。世界全体としてはハードの需要は増えており、今後も売上は伸びるとみている。

 一方、日本は同じ5年間で約2割減だ。半導体の売上減少は、半導体の実需要が減っていることにほかならず、「国内のハードウエア市場は縮小している」といえる。

なぜ国内でハードが不調なのか。

 日本は90年代から低成長の時代が続いている。にもかかわらず、国内のITベンダーは国内市場依存だ。これでは大きな伸びしろは期待できない。

 経営者は安い労働者に仕事をさせるか、今の従業員の生産性を上げるかのどちらかを考えるものだ。デフレ下では設備投資欲が抑制されるため、経営者も生産性を上げる投資に積極的にはならない。ITは、一人当たりの生産性を向上させるためのツールなので、国内のデフレはITベンダーの成長を妨げる要因となったといえる。

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