「ハードが売れない時代」と言われて久しい。国産IT大手がハードウエア事業から撤退する動きも相次いでいる。しかし、そんな中でも売れ行きが好調で、着実に売上に貢献しているハードウエア製品はある。

 富士通のタブレット「ARROWS Tab」は、生命保険会社や学校で多く導入されていることで知られる。生保では、第一生命、明治安田生命、大同生命、朝日生命など多くの大手がこぞって導入している。顧客との新規契約での電子手続きや生涯ライフプランを説明するなどが主な用途で、営業担当者がタブレットを活用している。学校など文教向けでは、現場におけるタブレット活用が追い風となり「約60%と高いシェアを得ている」(富士通の事業本部法人モバイル事業部の小中陽介部長)という。

富士通のタブレット「ARROWS Tab」
(撮影:スタジオキャスパー)
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 タブレット市場では米アップルのiPadなど海外製品が強い中で、なぜ富士通のタブレットが大きなシェアを得ているのか。

強みは「オーダーメイド」できること

 富士通が最も得意とするのは、企業独自の要望でも製品に反映する「カスタマイズ力」だ。生保に納入したタブレットはカタログに載っていない、ほぼオーダーメイドのものばかり。文教向けは開発や営業の担当が学校を訪れ、教師や生徒の意見を直接聞いて製品にフィードバックした。

 「企業も学校も突き詰めるとニーズは似ている。やりたいことができて、やりたいこと以外で邪魔にならないことが重視される」と、小中陽介部長は話す。タブレットの性能や使い勝手の向上に加えて、学校であれば「授業を止めない」、企業であれば「業務を止めない」ための工夫や技術開発の積み重ねが求められる。「毎日当たり前に使える」のには、それなりの理由がある。

富士通 事業本部法人モバイル事業部第一技術部の小中陽介部長(左)、同マネージャの寺杣公氏(右)
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