前回に続き、日本ジェンパクト・ビジネスサービスの一部門、決算業務部で進めているうっかりミスの撲滅プロジェクトを紹介する。現場担当者にヒアリングを続けた結果、「進捗管理が不十分」「データの誤入力」がうっかりミスの2大要因であると特定できた。それらを回避できるように2種類のチェックリストを作成し、うっかりミスを防止している。

 決算業務部が作ったチェックリストは、前回紹介した進捗管理用の「トータルチェックリスト」と、データの誤入力に気づける「Dチェックリスト」のほかにもまだある。初めて決算処理をする新人向けの「振替伝票チェックリスト10項目」と、決算処理の最終成果物といえる財務諸表を作ったときの最終チェックリスト「ファイナルチェックリスト」だ。

 新人向けのチェックリストは、処理で使う振替伝票に関するチェック項目をまとめてある。「うっかりミスは当然、仕事に不慣れな人ほど起こりやすい。業務を始めて3カ月以内の人には、新人向けのチェックリストを使って業務を進めてもらい、振替伝票に慣れてもらう」(日本ジェンパクト・ビジネスサービスの金善姫決算業務部部長代理)。

 一方のファイナルチェックリストは、例えば数字の足し忘れがあると、数十億円といった単位で財務諸表の数字の間違いが起こり得る。そんな一大事を回避するために作った。

 ファイナルチェックリストは、財務諸表の最終確認を担う決算業務のベテラン担当者にヒアリングし、そこから得られたノウハウや教訓を網羅した。「ベテラン担当者は作成したばかりの財務諸表をさっと見ただけで、『ここはおかしい』とすぐに指摘できる。そうした目利きのポイントを聞きだして明文化し、誰でも同じレベルでチェックできるようにした」と、同社社長付の恩田拓氏は話す。

ベテランの「おかしい」という指摘があるたびに、ヒアリングを実施。財務諸表チェックのノウハウを抽出できた
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 例えばあるベテラン担当者は、作成中の財務諸表を見て「この金額は計算ミスではないか」と指摘してきた。プロジェクトメンバーが根拠を尋ねると、「前月や前年の数字と見比べたら、極端に金額が変化している」という答えがすぐに返ってきた。前月や前年との比較がチェック対象になると分かった。

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