セブン&アイ・ホールディングスとアスクルは2017年7月にネット通販分野で提携した。セブン&アイがアスクルに期待するのは、アスクルが2016年8月から始めた、「1時間」または「2時間」単位で購入した商品の受け取り時間帯を指定できるサービス「Happy On Time(ハッピー・オン・タイム)」の応用である。

 アスクルはこの1年で蓄積したHappy On Timeの配送ビッグデータを用いて、人工知能(AI)に、配送計画で算出した配達時刻と実績の差や、道路の渋滞状況、天候、荷物の重さ、地域差、ドライバーの熟練度などの要因が到着時刻の誤差にどう影響を与えているかを学習させる。そして不在率を1%台まで引き下げる目標を掲げる。AI活用のアドバイザーとしては、日立製作所の矢野和男人工知能ラボラトリ長がアスクルの実証実験に加わっている。

 日立の多目的AI技術「H」の活用や、配送車に搭載したGPS(全地球測位システム)データの分析により、配達時間の正確さと配達量の増加といった最適配送を学習していく。こうして配達先への到着時刻の誤差精度や積載効率の向上、配達個数の最大化、ドライバーの生産性向上に動き出しているところだ。

 Happy On Timeを担当するアスクルの吉村芳記ECR本部配送マネジメント配送イノベーション部長によると、現在利用している配送車の管理システムは既存のパッケージソフトをベースに開発したものだという。このソフトは配送車が毎日同じルートを走ることを前提に作られており、地域ごとに配達先がほぼ決まっているBtoB向けの仕様になっている。そのため、毎日配達先や配達時間帯が変わるBtoC向けに使うには、改良の余地が大きかった。そこで「AIによる最適配送の学習やGPSデータの分析をこの1年で始めた」(吉村部長)と内情を明かす。

配車計画によるルート図。丸印が配達先で、個々の配送車が通る道は色別に表示している
(出所:アスクル)
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