エンタープライズ系の開発現場でも、新たな技術の波が押し寄せる。短納期が求められ、開発メンバーは少人数に絞られる。そんな中でリーダーの立ち位置にいるエンジニアは、従来のPMやSEといった縦割りの役割では表現できない業務をこなすことが求められている。

 独立系SIベンダーのアットウェアは、Javaに加えAmazon Web Services(AWS)やアジャイルといった新しい技術を取り入れた開発を得意としている。おのずと、チャレンジとなる案件が多い。

 同社の浅野祐希氏が直近で担当した案件は、大手事業者がサービスとして提供する、IoT(Internet of Things)関連の共通プラットフォームの構築だ。大手事業者に様々な形態の利用ログやセンサー情報を含めた各種データがたまっており、それを共通プラットフォームのパートナー事業者に提供する。データを一次集約して活用するためのプラットフォームサービスだ。

 浅野氏が率いるチームは2016年10月、このプラットフォームの核となるデータのフローを実装し、活用の有用性を検証するプロジェクトをスタート。その4カ月後にプロジェクトは完了した。

 開発チームは4人。その中で浅野氏はインフラエンジニア兼プロジェクトリーダーを担った。「プロジェクトを着地に向かわせる」というプロジェクトマネジャー(PM)としての役割も担う。ただ、スコープマネジメントやリスクマネジメントなど、従来のPMの役割は、メンバーとも話し合いながら進めた。

 ITアーキテクトの役割の方式設計もメンバーと一緒に詰めていく。「サーバーレスを使うとコストが下がるが、運用で使い物にならないケースもある」。こうした見極めをしていった。

 この際、プライベートクラウドの構築には「OpenStack」を使った。AWSを操作するAPIはOpenStackと互換性がある。AWSの経験が豊富な浅野氏は、そのスキルを活かしてマルチクラウドに対応できるようにOpenStack上で構築した。

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 このプロジェクトは、ユーザーからのビジネス要件が明確なもので、浅野氏のチームの役割は、どう実装するかだった。浅野氏はチームの中では、PMでありつつ、インフラの設計と実装までを担った。従来のPMとは違って仕事の調整がメインではなく、問題発見とチームが意思決定しやすくなるようなチームビルディングを進めた。自身も重要な部分の設計作業を担当した。

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