自動運転、コネクティッドカー、人工知能(AI)、音声認識、安全アシスト、スマートフォン対応のカーナビ──。自動車業界は今、「未来のクルマ作り」の話題に事欠かない。

 毎日のように、自動車メーカーのみならず、IT企業やベンチャー企業なども巻き込んで、クルマの新しい技術や実証実験の成果、さらには企業間の業務提携や買収などが次々に発表され、メディアをにぎわせている。自動車メーカーの研究開発費もうなぎ登りだ。特に自動運転は消費者の関心が高く、世界中の人たちが動向に注目している。

 加えて、新しいエンジンを搭載した車種も続々と登場。2つ以上の動力源(通常はガソリンエンジンと電気モーター)を持つハイブリッド車はもちろんのこと、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)など、選択肢はエンジンだけを見ても幅が広がっている。消費者にとって、自分に合った車をチョイスできるのはありがたいこと。今後普及が見込まれるEVやFCVは、環境にも優しい。

派手な未来のクルマ作りとは別世界の苦しい販売店事情

 華々しい未来のクルマ作りが世界規模で大いに盛り上がりを見せる一方で、今のところほとんど光が当たっていない陰の領域があることに、多くの人は気づいていない。それは実際に顧客と接し、車を売っている自動車販売店(ディーラー)の営業や整備の現場である。

 車を販売するのは店舗の営業担当者であり、点検や修理をするのは整備担当者である。顧客に最も近い存在であり、最新情報を伝える役割を担うはずのディーラーが、未来のクルマ作りからは遠い存在に思えてならない。

 もし今、顧客が来店し、「自動運転やAI活用について詳しく話を聞きたい」とか、「従来のガソリン車に比べて、EVやFCVにはどんなメリットがあるの?」「税制の優遇措置はあるの?」「自動車保険は変わるの?」「結局、どれがお得なの?お勧めなの?」と次々に質問されたら、営業担当者は分かりやすく、スムーズに説明できるだろうか。これだけでも相当の情報量が必要になる。

 未来のクルマ作りは技術革新が日進月歩。車を取り巻くITはどんどん進化して高度になり、法制度や税制も複雑になるなど、営業担当者や整備担当者が覚えなければならない知識や技術は爆発的に増えている。情報の習得に、担当者の頭が追いついていないというのが実情といえる。

 「全ての情報を覚えていなくても、必要なときに適切な情報を取り出せて、営業や整備の業務をアシストしてくれるツールはないだろうか」「税制や法律、保険なども含めた、車の販売には不可欠な必須業務を、漏れなく的確に処理できる支援システムはないだろうか」

 これがディーラーの本音であり、現場の切なる願いだ。

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