マイナンバー制度により、いつでもどこからでも即座に行政手続きができる時代がいよいよ幕を開けた。納税や社会保障といった行政の壁を越えて、一人ひとりに必要な行政サービスを素早く提供できるようになる。アナログな手続きを減らしてミスや不正行為も防ぐこともできる。

 今回から3回でマイナンバーカードやマイナポータルを使った様々なサービスを中心に、本格始動間近のマイナンバー制度を検証していく。今回は2017年7月に試験運用が始まったマイナンバー制度の情報連携とマイナポータルについて説明する。

異なる行政機関同士で情報のやり取りを可能に

 マイナンバー制度について、簡単におさらいしておこう。同制度では、日本国内の住民票を持つ一人ひとりに一つの12桁の番号(マイナンバー)を割り当てている。生まれたばかりの子にも簡易書留でマイナンバーの「通知カード」が郵送される。

 マイナンバーは原則として一生変わらない。ただ、もし他人に不正に使われる恐れがあれば変更できる。

 海外に在住している人には、国内に住所を移した後に付番される。観光目的の短期滞在を除いて3カ月を超えて在留する場合は、外国人にもマイナンバーが通知される。国外に転出後に再び在留する場合は、転出前と同じ番号を利用する。

 マイナンバー制度の情報連携とは、国や自治体が管理する個人データのうち、行政手続きに必要な情報をマイナンバーで結びつけて利用できるようにする仕組みを指す。

図●マイナンバー制度での情報連携の仕組み
(出所:内閣官房)
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 これまで国の省庁や自治体といった行政機関は、所管する行政手続きのために一人ひとりのデータを個別に管理しており、互いに連携していなかった。マイナンバー制度ではマイナンバーと本人確認のための書類を申請すれば、専用のネットワークシステムを使って法律で定められた範囲内で情報をやり取りできる。

 現状では、子育て中の保護者は児童手当などを申請するために、住んでいる自治体の窓口に所得額を証明する書類などを提出しなければならない場合がある。2017年秋ごろから情報連携の本格運用が始まると、窓口に行かなくてもインターネットで申請が完結できる。

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