ネット上の情報をまとめたキュレーションサイトを巡って、コンテンツの作り手と質の低い記事を減らそうとする事業者のいたちごっこが続いている。2017年2月、「質の低いサイトの検索順位を落とす」としてグーグルが検索アルゴリズムを変えたが、効果は限定的。まとめサイト側は検索結果の上位を狙い、手練手管を駆使する。

 「キュレーションメディアの業界体質は、何も変わっていませんよ」。企業向けのオウンドメディア運営企業の社長は、こう打ち明ける。2016年末に発覚した、ディー・エヌ・エー(DeNA)の医療情報サイト「WELQ(ウェルク)」をはじめとする同社キュレーションメディア事業の不祥事。この一件を機に日本のインターネット業界には、キュレーションメディアの正常化や健全化に向けた気運が高まった。

 象徴的な動きが、グーグルによる検索アルゴリズムの変更だ。同社は2月、公式ブログを通じて検索結果に影響を与えるWebサイトの品質評価の方法を変更したと発表。「ユーザーに有用で信頼できる情報を提供することよりも、検索結果のより上位に自ページを表示させることに主眼を置く、品質の低いサイト」の検索結果の順位を下げて、「オリジナルで有用なコンテンツを持つ高品質なサイト」をより上位に表示するようにしたという。

 キュレーションメディアはSEO(検索エンジン最適化)の手法を駆使してネット検索結果の上位を獲得し、閲覧数を稼いで広告収入を得ることを目的にしているとされる。グーグルの検索アルゴリズム変更は、WELQの一件を受けてグーグルが質の低いキュレーションメディアを検索上位から閉め出そうとした動きとネット業界では受け止められた。

アルゴリズム変更の効果は「限定的」

 この点を検証するため、ITproはSEO(検索エンジン最適化)大手のクロスフィニティの協力を得て、キュレーションメディアサイトの検索順位の変動を調べた。その結果、キュレーションメディアの勢いは健在で、法的にグレーな手法を駆使する実態も依然として変わっていないとの結論を得た。

検索順位が2月を境に落ちたキュレーションサイトのページ一覧。ただしグラフ上部、1位のサイトを示すピンク色の折れ線はほぼ1位のままだ
(出所:クロスフィニティ)
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 グラフは国内のキュレーションサイトについて、ある特定のキーワードによる検索順位の推移をまとめたものだ。上はキュレーションサイト個別の順位の変動、下は集計対象サイトの平均順位である。

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