富士通は2018年までにセキュリティ人材を1万人育成する計画だ。現状は約2000人だが1年強で5倍に増やす。主に育成するのは「セキュリティの分かるSE」だ。

 同社がセキュリティ人材の本格育成に取り組み始めたのは2014年度。2016年度には独自の認定制度「セキュリティマイスター」を作った。グループ社員全員を対象とした制度だが、実質的な対象はシステムの開発や運用に携わる3万人のSEだ。3年での更新制としている。

セキュリティマイスター認定の概要、3領域で15個の人材像を定義している
(出所:富士通)
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 レベルは3段階で規定した。最上位は「ハイマスター領域」。社内外からも認められ、業界最高レベルのセキュリティスキルを持つエンジニアである。

 中位が「エキスパート領域」で顧客にセキュリティサービスを提供する、いわゆるセキュリティの専門家だ。前提として、情報処理推進機構のITスキル標準(ITSS)のレベル4(情報セキュリティスペシャリストなど、情報処理技術者試験の高度試験)やCISSPの資格を有していることが求められる。

 下位がセキュリティの分かるSEである「フィールド領域」。システム開発や運用の現場で富士通のソリューションを安全を提供できる技術者という位置づけ。ITSSではレベル2相当のスキルを有していることが条件となる。

セキュリティは当然の要件、1万人育成へ

 セキュリティマイスター制度を立ち上げたサイバーセキュリティ事業戦略本部サイバーディフェンスセンターの奥原雅之センター長は、セキュリティマイスターの特徴を「現場ニーズに即した人材像としたこと」と話す。「世の中にはセキュリティ人材像はたくさんあるが、わざわざ作ったのは『富士通の現場で必要な人材像は富士通が定義するべきだ』と考えたから」(奥原氏)。

サイバーセキュリティ事業戦略本部サイバーディフェンスセンターの奥原雅之センター長(右)と相原祐介氏
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 人材像はそれぞれ異なるビジネスのニーズに基づいているという。具体的にはハイマスター領域はセキュリティ分野で富士通のステータスを上げるための「広告塔」、エキスパート領域はセキュリティビジネスの拡大、フィールド領域は顧客に提供するITソリューションを安全に提供する、というニーズだ。

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