「ハードディスクからファイルが読み取れなくなった」。ユーザーから見て同じように見えるデータ消失の背後では、精密機械のハードウエアからOSやファイルを構成するデータといったソフトウエアまで、様々な破損が起きている。データ復旧の事前知識として、どうやってデータは“消える”のかを見ていこう。

ハードディスクのどこが壊れるのか

 ハードディスクは、ガラスやアルミの円盤(ディスク)に磁性体を塗布した媒体(プラッター)を回転させ、N極とS極に磁化する磁気ヘッドで読み書きする記録装置だ。2017年6月時点でプラッターは1枚で最大1.5Tバイトの容量があり、1Tバイト超のハードディスクはプラッターの両面を複数の磁気ヘッドで読み書きする。

一般的なハードディスクの動作。モーターで磁気ディスクを回転させ、ディスク面からわずかに浮いた状態の磁気ヘッドで読み書きする。
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 ヘッドとディスクの記録面の距離は、わずか数ナノmでしかない。その幅はもはやタバコの粒子より下。毎分5000~1万5000回転するディスクの気流によって浮上しているだけだ。読み書きの動作中に衝撃を与えると、磁気ヘッドとディスクが接触して磁性体を傷つける。場合によっては破損した部品がドライブ面に飛び散る。文字通りクラッシュ、いわゆる「物理障害」だ。

壊れた磁気ヘッド。スライダーがアームから剥がれている。
(出所:アドバンスデザイン)
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