SD-WANの製品やサービスが多様化している。ここでは代表的な機能として、「ゼロタッチプロビジョニング」「インターネットブレークアウト」「ハイブリッドWAN」「セグメンテーション/ マルチテナント」を解説する。

Q5
かつてのSDNにはなかった新機能
ゼロタッチプロビジョニングとダイレクトインターネットとは?

 ゼロタッチプロビジョニング(ZTP:Zero Touch Provisioning)とは、CPEを拠点に設置して回線をつなぎ、電源をオンにすれば、自動的に拠点をSD-WANにつなぐ機能のことである。このように、拠点の立ち上げ(プロビジョニング)に人手が要らないこと(ゼロタッチ)からこの名称がついた。

立ち上げ時間を短縮する

 ゼロタッチプロビジョニングのメリットは立ち上げ時間の短縮にある。例えばQ3で紹介した米ギャップは一晩で20~30拠点の立ち上げを完了し、数カ月で約1400拠点にデプロイ(展開)したという。

 北米のある大手銀行は最終的な目標を3000拠点/6000デバイスとして、一晩で50~75拠点を完了させているという。

 「立ち上げの時間短縮はSDNにはなかったSD-WANならではのメリット」と、かつては米ニシラネットワークス/ヴイエムウェアでSDNを手掛けたヴィプテラ・ジャパンの進藤資訓・技術本部長は話す。「以前のSDNはもっぱらデータセンター(DC)がターゲットだったため、同じ時間短縮でもネットワークの変更に要する時間を短くしようというものだった」(同)。

 ただし、ゼロタッチプロビジョニングの導入は、これまで拠点の運用管理を人海戦術でこなしてきたインテグレーターにとっては収入源を失いかねないものだ。アイ・ティ・アール(ITR)の甲元宏明プリンシパル・アナリストは「ゼロタッチプロビジョニングを導入したいなら、RFP(提案依頼書)にはっきりと明記すべき。インテグレーターにとってメンテナンスや作業の費用は命綱。自ら提案してくることはない」と助言する。

インターネットに拠点を直結する

 「ダイレクトインターネット」はOffice 365の快適利用に向けたソリューションとして注目度が高まっている。米国など海外ではDIA(Direct Internet Access)と呼ばれている。

 データセンターなどにインターネットの出口を一本化している企業ネットワークでは、拠点から直接インターネットに出ていくことで、クラウド上のアプリケーションへのアクセス向上と、インターネットトラフィックのオフロードという効果が期待できる。

●ゼロタッチプロビジョニング(ZTP)の概念図
[画像のクリックで拡大表示]
●インターネットブレークアウトの概念図
[画像のクリックで拡大表示]

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