米インテルは、「捨て身」の一手を打った。自動運転の分野で存在感を高める米エヌビディアを追撃するためである。インテルは2017年3月、自動ブレーキシステム大手で自動運転技術を開発するイスラエルのモービルアイ(Mobileye)を約153億ドル(約1兆7000億円)で買収すると発表したのだ。

 インテルは、設立したばかりの自動運転部門をモービルアイに事実上統合し、今後はモービルアイがインテルの自動運転事業を率いる。事業の本拠地をイスラエルに置き、モービルアイの共同創業者で会長兼最高技術責任者(CTO)を務めるアムノン・シャシュア(Amnon Shashua)氏が責任者に就任する。これまでインテルで自動運転部門を統括していたダグ・デイビス(Doug Davis)上級バイスプレジデントは、シャシュア氏の直属となる。

CES 2017で記者の質問に答えるモービルアイ 共同創業者のアムノン・シャシュア氏
(出所:モービルアイ)
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クルマ×AIに狙いを定める

 インテルが自動運転の分野に投資する意思を明確にしたのは2016年11月。完全自動運転車の実現に向け、今後2年で2億5000万ドル(280億円)を投資することを発表した。自動運転部門も新設。PC向け半導体事業の成長に陰りが見えるなか、利益が見込める新たな巨大市場として「クルマ×AI」に狙いを定めた。

 これまでもインテルは、自動運転分野のビジネスを強化するため資本提携を進めてきた。2016年11月には、自動車部品メーカー大手デルファイと、プロセッサを提供することで提携。2017年1月には、自動運転に不可欠なデジタル地図サービスを提供する独ヒアに出資し、株式の15%を取得する計画を明らかにした。

 ヒアは2016年12月、デジタル地図技術の分野でモービルアイとも提携している。インテルがモービルアイを買収したことで、インテル、ヒア、モービルアイの3社はより強固なパートナーシップを組んだことになる。

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