2018年も、国内外のスタートアップ企業の動向から目が離せない。

 スタートアップ企業の存在感が年々増している。その背景には、起業のハードルが下がったことがある。何よりクラウドコンピューティングやスマートフォンの普及が果たした役割は大きい。さらにはベンチャーキャピタル(VC)や事業会社によるコーポレートVC、個人投資家(エンジェル)、クラウドファンディングなど資金調達の多様化も見逃せない。

 2017年にKDDIが買収したソラコムが初めて大きな公の場に登場したのは、2015年6月に開催された招待制イベントIVS(インフィニティ・ベンチャーズ・サミット)だった。このとき同社代表の玉川憲氏が、WiLとインフィニティ・ベンチャーズなどから7億円を調達したことを明らかにしたのだ。

 ソラコムの設立は、その半年ほど前に当たる2014年11月のこと。その時点で実績のない企業に対して、1事業会社であれば果たしてこれだけの資金を用意できたかどうか。あるいは大企業の中に同じようなアイデアがあったとして、企業はそのアイデアに思い切って投資ができたかどうか。

 未知の事業に賭ける投資いわゆるリスクマネーは大企業の外にあり、アイデアを短期間のうちに実サービスまで具現化できる人も外にいることがほとんどだ。

 歴史ある展示会も、スタートアップ企業の勢いを取り込むことに躍起になっている。代表的なのが、毎年1月初旬に米国で開催されるCES。かつては家電ショーと呼ばれコンシューマー向け技術が一堂に会することで知られるが、最近では世界中からスタートアップ企業が集まるイベントとしても有名だ。2012年に始まったスタートアップ企業向けスペース「Eureka Park」には、2017年には700社、そして2018年には800社のスタートアップ企業が出展。CESの目玉企画となっており、世界中の事業会社や投資家が注目する。

 ビジネス領域では、欧州で開催されるモバイルの祭典MWC(Mobile World Congress)も、スタートアップ企業の誘致に力を入れる。2014年に始まった併催イベント「4YFN(4 Years From Now)」は、スタートアップ企業の出展やセッションを軸に、大企業や投資家との交流機会を提供している(写真)。通信事業者向けの商談会をベースとするMWCには、BtoB関連の事業にかかわる参加者が多くを占める。こうした来場者を当て込んだスタートアップ企業の参加が多い。

写真●2017年2月に開催された4YFNの展示会場
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