「見える化を機にメールの読み書きなどの作業時間を短縮し、本来業務の研究開発に充てる時間を増やしたいと思うようになった」。旭硝子化学品カンパニー開発部新規材料グループの高尾清貴氏はこう話す。

 高尾氏らオフィス部門の社員は現在、業務用スマートフォンで業務内容を記録している。定型業務、非定型業務、会議、来客、食事などをそのたびに画面上で選択して、業務の内容を見える化。取り組みは500台に及ぶ。

 2016年11月にオフィス部門で始まった作業効率の改善活動は、同年6月に工場部門で始まった取り組みを横展開したもの。工場には作業員用の腕時計型端末100個とビーコン900個といったIoT機器を導入した。

旭硝子が社内で展開する業務の見える化の仕組み
腕時計型端末とビーコンで作業内容を見える化(画像提供:旭硝子)
[画像のクリックで拡大表示]

 作業員は作業を始めたり切り替えたりする際に、腕時計型端末をビーコンにかざして作業内容を記録。管理者は収集したデータを専用ツールで分析し、タイムラインや円グラフを使って作業内容の推移や内訳の適正さを調べたり、ヒートマップで動きに無駄がないかを確認したりする。

 かざすだけに操作を絞って負担を減らし、従来のようにビデオ撮影で見える化する手間も排除。人と作業速度の関係が可視化されたことで、やる気と生産性を高める計画だ。