NTTレゾナントでソリューション事業部長を務める岡敦子氏。同社初の女性役員として、法人向け事業を統括している。NTTの研究畑を歩んでいた技術系人材だったが、異動をきっかけに「技術を多くの人に使ってもらうこと」にやりがいを見出し、キャリアを大きく転換した。

(聞き手は戸川 尚樹=ITpro編集長、編集は八木 玲子=ITpro)

今、どんなお仕事をされていますか。

 当社には4種類の事業部があるのですが、そのうちの一つであるソリューション事業部の部長をしています。ソリューション事業部には法人営業部門と基盤部門があり、その二つを束ねています。

 NTTレゾナントはポータルサイト「goo」を運営しており、Webに強い会社です。私の事業部では、お客様のWebサイト構築や運用、スマートフォン向けアプリなどを手掛けています。災害発生時、従業員の安否確認をするソリューションなども展開しています。

これまでの経歴を教えてください。

 私は元々、研究畑でした。1988年に慶應義塾大学の大学院を卒業後、NTTの研究所に入社しました。そこでソフトウエア開発の改善、具体的には効率的なデバッグ手法や要求分析の方法などを研究していました。あいまいな顧客の要求をいかに明確にするか、構造化分析ツールを使うとどれくらい効率的になるか、といったことに取り組んでいました。

NTTレゾナント 取締役 ソリューション事業部長 岡敦子氏
撮影:菊池 くらげ、以下同じ
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 大学での専攻は経営工学でしたが、アルバイトでプログラム開発をしていました。それでプログラミングに興味を持って、NTTの研究所に就職したのです。

 NTTの研究所は、当時、黎明期にあったインターネットの研究を始めていました。私の研究テーマも徐々にインターネット技術へと変わっていって、JPNIC(日本ネットワークインフォメーションセンター)の運営委員を務めた時期もありました。ドメイン名やIPアドレスの割り当てルールを決めたり、メーリングリストでいろんな会社の人が集まって英語の技術文書を翻訳したり、といったことを手掛けました。

 それが1996年、突然、異動で国際部へ。NTTの海外展開を担う部署で、私はマレーシアの事業にかかわることになりました。マレーシアでは、マハティール首相が先進国入りを目指して国を挙げた取り組みを進行していたころ。NTTも、通信インフラの拡充や、電子政府やスマートカードのようなアプリケーション整備などのプロジェクトに参画していました。

 プロジェクトにかかわる様々な人に当社の技術を説明したり提案したりする必要があるのですが、技術の説明って本当に難しい、と痛感しました。ソフトウエアのように形がないものは特に難しい。

 それまで研究所畑だったのであまり意識せずにきたのですが、「技術の中身だけいくら説明しても、そのメリットを理解してもらえなければ評価されない」ということが分かってきました。技術をビジネスに活用するには、ビジネスについての基本を学ばなくてはと思い、「ビジネススクールに留学したい」と考えるようになって。MIT(マサチューセッツ工科大学)のビジネススクールに1年間留学しました。

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