iPhoneの登場から10年が経過した。ほぼ10年ごとに世代交代するモバイルネットワークの進化と照らし合わせると、iPhoneが火を付けたスマホブームは、3Gから4G(LTE)へとモバイルネットワークの進化を促す格好の機会を生み出した。

 通信規格の世代交代は巨額な設備投資を伴う。一歩間違えば、携帯電話事業者の生死を左右しかねない。ソフトバンクモバイル(現ソフトバンク)がiPhone 3Gを国内市場で販売開始した2008年7月から、ソフトバンク、KDDI(au)、NTTドコモの国内大手3社がiPhone 5sを発売した2013年9月までの5年間は、ちょうどモバイルネットワークが3Gから4G(LTE)へ世代交代の時期だった。

図1●モバイル市場の競争、この10年の流れ
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 この期間、iPhoneの取り扱いの有無が競争のポイントとなったばかりでなく、複数の事業者がiPhoneの取り扱いを開始したことで、「ネットワークのつながりやすさ」「iPhoneに対応した周波数帯の有無」も競争のポイントに浮上した。モバイル市場の競争の歴史として振り返ってみても特異な時期だったのではないか(図1)。

図2●国内モバイル市場の競争を根本から変えた「iPhone 5」
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 改めて振り返ってみると、国内市場で販売されたiPhoneで初めてLTEに対応した機種、すなわち2012年9月発売の「iPhone 5」が国内ネットワーク競争に与えたインパクトは極めて大きかった(図2)。

iPhone 5の対応バンドを巡り買収合戦

 国内でLTEサービスが始まったのは2010年12月。NTTドコモが「Xi」というサービス名でLTEの商用サービスをスタートしたのが最初だ。当初はデータ通信のみであり、エリアも展開中だったことからLTEの契約数は緩やかな伸びだった。商用サービス開始から1年3カ月後の2012年3月末の国内LTE契約数も約230万にとどまっている。

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