AIと機械学習を使って機動的な価格設定を支援するツールが登場している。値付けは売り上げを左右し、顧客満足度にも影響する最重要な戦略。判断をIT任せにしないよう、ツールを使いこなす手腕が問われる。

 機動的な価格付けで一物「時価」「多価」を実現する。この流れを後押しするように、AI・機械学習を使って価格設定を支援するITツールが登場している。

機械学習で値下げを判断

 デロイトトーマツコンサルティング(DTC)は小売店舗が扱う個々の商品について最適な値下げの時期や金額を提案するサービス「マークダウン最適化ソリューション」を2017年11月に国内で本格展開し始めた。

 同サービスの中核を成すのは機械学習のアルゴリズムだ。POSレジなどから取得した直近2年分程度の売り上げデータを基に、個々の商品の販売開始から終了までの売れ行きの推移を分析。売れ方のパターンごとに類型化する。そのうえで、販売中の商品について週次や日次の売り上げデータや在庫数の推移などを基に、売れ方のパターンが類型化したうちのどれに当てはまるかを判断する。

 過去の同じパターンの商品を基に今後の売れ行きを予想。店個別の販売ポリシーを加味して、個々の商品の収益を最大化できる値下げの開始時期と値下げ額、継続期間を「推奨値」として提案する。個別の販売ポリシーは、例えば「セール期間は年4回、各1週間限定」「値下げの下限は3割引き」「発売から半年経過した商品はアウトレットストアに移動」などが挙げられる。

 Excelのシート上で値下げ額や期間を修正すれば、利益予想がどう変化するかも確認できる。国内の小売業の場合、売上至上主義で在庫を過剰に処分しすぎたり、反対に在庫を持ちすぎていたりするところが多いという。「在庫をできるだけ消化しつつ、粗利率の低下を最小限にとどめるよう、最適な値下げの方法を推奨値として具体的に提案できる」(DTCの鬼頭孝幸執行役員パートナー)。

 サービスを開発したデロイトの英国法人は、英衣料品販売のマタランや大手総合小売業などに導入し、衣類や食品、玩具、文具、電化製品などの販売の現場で使われているという。

個々の商品の値下げ戦略を提案
図 デロイトトーマツコンサルティングの「マークダウン最適化ソリューション」の概要
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