定価販売が原則のコンビニ業界でローソンが新たな売り方に挑み始めた。ITを駆使した次世代店舗に動的な価格設定ができる仕組みを導入。固定的だった「値付け」に自動化の波が押し寄せている。

 「一物一価」を基本に人が価格や割引額を決めていた時代が去り、条件に基づいて自動的に価格を上下させる「一物多価」「一物時価」とも言える時代が訪れつつある。変化の象徴とも言える施設が2017年10月に現れた。仕掛けたのはローソン。次世代店舗の実験施設「オープンイノベーションセンター」を都内に開設した。白石卓也執行役員センター長は「将来的にはコンビニエンスストアでもダイナミックプライシング(動的価格設定)を実現したい」と意気込む。定価販売が原則のコンビニで、価格を柔軟に変更する仕組みを導入しようとしているのだ。

電子棚札とICタグで価格を自在にコントロール
図 ローソンの次世代店舗で検討している「ダイナミックプライシング」の仕組み
[画像のクリックで拡大表示]

 そのための道具がIT。具体的には電子棚札とICタグ(RFIDタグ)である。次世代店舗は原則として全ての棚に電子棚札が付き、商品にはICタグが付く。電子棚札は値引き販売が多いスーパーを中心に普及している。ローソンはこれをコンビニ業態にも取り入れようと画策。天井裏の制御機から無線信号を出せば、棚札の商品名と価格を自在に変更できる。商品の入れ換えなどのたびに数時間程度かかる棚札の付け換え作業を省けるようになる。

 ローソンはさらに一歩進めて、機動的な価格変更を目指す。主に弁当など消費期限が短い商品に適用する。前提として弁当にICタグを付けておく。ICタグは弁当を包むフィルムに埋め込む形態などを想定している。

 ICタグには商品のバーコード情報のほか、消費期限などの情報を書き込める。天井に設置した読み書き機で常時ICタグをスキャンしており、この仕組みを生かせば「消費期限が残り◯時間の弁当がどの棚にいくつ残っているか」という情報を自動的に把握できる。

 消費期限が迫ると現状はコンビニ業態では値下げせずに廃棄、スーパーなどでは「3割引」などのシールを貼って値引き販売(マークダウン)することが多い。いずれも人手がかかる。ローソンの次世代店舗は消費期限が迫った商品が置かれた棚に付いた電子棚札の価格表示を変更。自動的に値下げしようというわけだ。

この先は有料会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)登録で6月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら