担い手の高齢化や不足が続く日本の農業。技術伝承にはITの活用が欠かせない。ITを駆使して、もうかる農業を目指す取り組みは「アグリテック(農業×IT)」としても注目を集める。2018年は生育や収穫など様々なデータを活用できる仕組みが広がるほか、関連するIT機器の低価格化が進み、農業生産者の8割を占める中小生産者が収穫を2割増やす。

 耕作地の土壌や気象などのデータを時間の経過とともに蓄積して組み合わせて管理すれば、栽培状況に応じて農作業を自動化できるようになり、生産性を大幅に高められる。ただ、同じ栽培品目でも地域などによって栽培条件や育成状況は異なる。全国の生産者や農業関連企業だけでなく、農業協同組合や流通業、小売業との連携も必須だ。

 理想の農業に向け、日本マイクロソフトやクボタ、農業団体などが2017年に「農業データ連携基盤協議会」を設立。異なる農業生産者や企業が様々な農業関連データを共有・活用できるようにデータを整備している。

 別の面からも2018年は「農業×IT」の取り組みが豊作を予感させる。日本版GPS(全地球測位システム)と呼ばれる準天頂衛星システムが4機体制に増え、高精度の測位情報が入手可能になるからだ。大規模な生産者は測位情報を使って、自動運転機能を備えた無人の農業機械で畑を耕せるようになる。

 矢野経済研究所によると、農業×ITの国内市場規模は2018年度に前年度比17%増の141億7900万円に拡大する見通し。自動運転農機の管理システムや、生産から売り上げまでを管理するクラウドなどが市場を押し上げる。

図 スマート農業の国内市場規模
ITコストが減り導入が増える(出所:矢野経済研究所)
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