2018年は深層学習の技術で物体を判別する安価なエッジ端末が日本全国津々浦々に普及して人々の生活を助ける。一方で常に監視の恐怖に怯える「ビッグブラザー時代」も到来する。

 エッジはデータの発生源により近いネットワークの周縁部(エッジ)にコンピュータの処理能力を配置する考え方。通信量やクラウド側の処理を減らして、システム全体で処理速度やセキュリティを高める。

 「エッジコンピューティングの市場規模を正確に把握するのは難しい」とIDC Japanの小野陽子アナリストは話す。どの場所のどんな機器をエッジと定義するかが定まっていないからだ。センサーやゲートウエイ端末、果ては自動車までエッジとなり得るため、市場が拡大するのは確実だ。

 取り組みは次々と生まれている。九州旅客鉄道(JR九州)はIT企業のオプティムと2017年10月からエッジ端末を活用した安全確保の実証実験を始めた。無人駅に設置した監視カメラの映像を深層学習で分析してホームの乗客を検知。

 線路内への転落や白線外への立ち入りがあるとクラウド経由でJR九州の管理室に瞬時に知らせる。使うのは米エヌビディア製GPUを搭載した「EdgeBox」と呼ぶエッジ端末だ。

 従来は複数駅のカメラ映像を職員が同時に目視しており、業務の負荷が高かった。監視をエッジ端末が肩代わりして、乗降客が少なくホームドアのない小規模駅の安全を確保する。将来はホーム上の乗客の挙動も判別し管理室に知らせる仕組みを目指す。

図 JR九州などによる実験の概要
エッジを活用した深層学習が全国津々浦々に
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