2018年はVR(仮想現実)関連技術のうち、現実と仮想を高度に融合させるMR(複合現実)が自動車業界を中心に普及し、生産工程の手戻りが激減する。その結果、設備投資の効率が上がり、新車開発や生産のペースも上がる。

 VRはHMD(ヘッド・マウント・ディスプレー)などを通して、現実とは異なる映像を視界に映し出す技術。VR関連技術の2018年の国内市場規模は「前年比49%増の1080億円の予測」(IDC Japanの菅原啓PC、携帯端末&クライアントソリューションシニアマーケットアナリスト)。

 世界市場は2021年まで年98.8%と倍々ゲームで拡大。一方、国内市場は年36.5%のペースだが、組み立て製造やプロセス製造に限定すると年7割増で成長する。

トヨタがMRを活用

 日本の製造業はVR関連技術を使い分けて効率を高める。製品設計工程では設計や製造、保守の各部門が製品の3次元データをVRで共有して議論。製造工程では、現実世界の映像に画像やCGなどを重ねるAR(拡張現実)で、作業者に手順などを細かく指示する。

 2018年の最注目はMRの活用だ。トヨタ自動車の榊原恒明エンジニアリングIT部主幹は「当社だけでなく日産自動車やマツダ、クボタ、日立建機などとMRに関する取り組みを研究会で共有し、切磋琢磨している」と話す。

図 製品製造でのVR/MR/ARの活用
メーンの使い手は製造業に、使い分けも進む(画像提供:トヨタ自動車)
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 トヨタは現在、設備を設計して実際に作る前に、MRで作業内容などを検証している。作り始めてから「手が届かない場所がある」「作業性が悪い」などの問題が分かり、「作り直すケースも往々にしてあった」(榊原主幹)。

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