最後の側面は、どんな場で褒めればよいのかという点だ。褒める場所や場面といったシチュエーション(Where)について考えてみる。

 メンバーを褒めるに当たって、どんな場所で褒めるのかは非常に重要なポイントだ。褒める相手によって場を使い分ければ褒める効果も高められる。

 例えば個別に会議室で褒めるリーダーもいれば、全メンバーの前で褒めるリーダーもいる。立場や状況によって、褒めるシチュエーションで効果は異なる。チームメンバーのやる気を引き出し、チームのパフォーマンスを最大化するという観点からは、個別に呼び出して褒めることはお勧めできない。なぜなら、誰かをえこひいきして褒めているという疑念を他のメンバーに持たれかねないからだ。

 せっかくリーダーが褒める基準(と叱る基準)を設定しても、メンバー全員が同じ基準で褒められている実感を得られなければ意味がない。個別に褒めると疑心暗鬼を招くだけだ。

 そのため褒める場合は、できる限りオープンな場で、かつ根拠を明確にしながら褒めるべきである。

 オープンな場で褒める場合、褒められたメンバーには認めてもらえたという満足感を与え、その他のメンバーには自分も同じように褒めてもらえるように結果を出そうという気持ちを抱いてもらう好循環を生み出すのが重要である。

 ただし、ある程度規模が大きいチームの場合は注意したい。大規模チームでは、いわゆるヒエラルキー(組織階層)が存在する。この状況で安易にオープンな場で褒めると、反発するメンバーが出る恐れがある(図5)。

図5●ヒエラルキー構造の組織ではオープンな場で褒めない
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 例えば大規模チームでは、プロジェクトリーダー(マネジャー)の下に複数のチームリーダーが配備され、その下にサブリーダーが置かれる。このようなプロジェクトでは、オープンな場で中間層に当たるサブリーダーだけを褒める際に、十分に気を付けなければならない。

 オープンな場でサブリーダーだけを褒めると、まずそのチームのメンバーは自分たちのおかげなのになぜサブリーダーだけを褒めるのかという気持ちを抱きかねない。さらにチームリーダーは、自分よりも下位のサブリーダーだけが褒められるとえこひいきだと感じる恐れがある。

 そこで大規模チームでは、最初にチームメンバーを褒め、その上で突出した成果を上げたサブリーダーを褒める。次にそのまとめ役であるチームリーダーも同時に褒めるようにする。

 もしサブリーダーだけを褒める場合は、オープンな場ではなく、会議の場などで褒めるのがよいだろう。

 組織が大きくなればなるほど階層が深くなるので、階層を意識したオープンな場を演出しなくてはならない。

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