前回、現在の企業活動に必要な三つの要素として、パッション(情熱)、スキル、スモールチームを挙げた。社会的な課題を解決する情熱を持ち、実現に必要なスキルを身に付け、密接に働く小さなチームを組んでサービスを提供していく。これは、スタートアップ企業だけでなく、大企業でも製品やサービスの単位で当てはまる。

 スモールチームを中心とした働き方がこれからのスタンダードになっていくだろう。こう考えたとき、個人としての行動をどう変えていったらよいのか。自分の意見を押し殺してでもチームに貢献すべきなのか。

 それは違うだろう。チームの能力はあくまで個々のメンバーのスキルの上に成り立つものだ。パッションとスキルを持つ強いリーダーによって統率されるチームは、リーダーに依存する弱さも併せ持つ。しかし、短期決戦では強いとしても、中長期では継続性に難点がある。強いリーダー1人よりも、個々のメンバーが自らのパッションとスキルを駆使し、チーム目標に向かって協調する方が望ましい。

 他のメンバーが持つスキルの分布を意識しながら、個人としてどう成長していけばチームの役に立ちそうか―。これを分析し学んでいくことが、チームへの貢献にもつながる。チームの成果に自分なりのスキルで貢献したストーリーがあれば、チーム外の人にもアピールしやすいだろう。今回は、自らのポジション分析にスキルマップを活用する方法を紹介していく。

自分のスキルを分析する

 前回掲載したスキルマップをマトリックスにしたものが図1だ。横方向がスキルのタイプ、縦方向がレベル感である。スキルのタイプは、左にいくほど直接的に仕事に寄与するもの、右にいくほど間接的なもの、となっている。このスキルマップはWebアプリケーションエンジニアを想定している。そのまま使ってもよいが、チームの実情に合わせて項目を修正すれば、より実情に即した分析になるだろう。

図1●スキルマップのマトリックス
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 実際に、各マスのスキルについて、自分で「これは持っている」と思うスキルのマスに印を付けてみよう。プロフェッショナルとして仕事する以上は「必要とあれば業務に即投入できるので、期待してもらって構わない」という観点で付けるといい。第一人者でなくてよく、このスキルでチームに貢献できると考えているなら十分だ。

 付けた印の形で、その人材のタイプ(型)が分類できる。その型によってチームへの貢献度や貢献方法が変わる。まず、代表的な人材の型を見ていこう。

●器用貧乏型

 レベルの高いスキルは持っていないが、幅広くスキルを持っていると考えている例が図2だ。ここでは“器用貧乏”型と名付けた。このようなスキルを持っている場合、チームに参加するのはスムーズだろう。どんな話題にもそこそこついていけるし、分からないときに他のメンバーに話を聞く際にも、最低限の知識は持っているからだ。

図2●器用貧乏型
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 ただし、課題もある。チームとして仕事をこなすときに、貢献できる分野が限られることだ。チームの中で第一線級といえるスキルを持っていないので、貢献度も小さいかもしれない。このような人はチームのメンバーとコミュニケーションを取りやすい性質を活かし、特定のスキルが得意なメンバーから情報を引き出し、スキルを伸ばしていくとよいだろう。

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