従業員の入社や退社、昇進、転居、出産──。各種イベントに応じて人事部に発生するのが、労務関係の手続きだ。雇用保険や社会保険の加入手続き、扶養家族の追加、賃金の加算、住所や交通費の変更など、作業は煩雑。こうした労務管理に時間を取られすぎると、個々の従業員のフォローや人事戦略の考案などに手が回らなくなる。

 「HR(Human Resource)テック」の分野では、労務管理の効率化を目指すサービスが生まれている。その一つが、ITベンチャーのクフが手掛ける「SmartHR」だ(画面1)。

画面1●労務にまつわる各種手続きを効率化する「SmartHR」
(出所:クフ)
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 2015年11月に正式サービスを開始し、利用企業は既に1500社を超えた。「プロモーションはほとんどしていないが、クチコミなどで採用が広がっている。当初は小規模な企業を想定していたが、1000名規模の企業から声が掛かるケースも増えている」。クフの宮田昇始代表取締役CEO(最高経営責任者)は話す(写真)。

写真●クフの代表取締役CEO(最高経営責任者)、宮田昇始氏
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 従来、書類の作成は基本的に手作業で行われてきた。「記入には専門知識が必要で、難易度が高い」(宮田氏)ことから、時間や手間が掛かる。記入した書類を基に役所に申請するのも大変だ。1人雇用するだけでも、社会保険事務所やハローワークなど、複数の役所に行く必要がある。それぞれの役所で長時間待たされることも日常茶飯事だ。

 SmartHRは、こうした手続きを効率化するクラウドサービス。必要な情報をSmartHRに入力すれば、申請書類の作成や役所への申請を自動的に実行する。いわば「HRテックの中でも、“守り”の分野を担う」(宮田氏)。事務的な手続きを省力化することで、それ以外の重要業務に貴重な時間を費やせるようにする。

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