終活に関心を持つ人は多いが、実際に行動するのはひと握り。その人たちに使ってもらえるサービスをオンラインで提供するには何が必要なのか。現状を正確に捉えたうえで勝負に出た、新興サービスからヒントを探したい。

利用者の負担を極限まで抑えて運用

 ITベンチャーのモルカが手がける「ARIME」(http://arime.info/)は、預かったメッセージを死後に指定先へ届けるサービスだ。2015年8月にプレオープンし、現在は本格始動に向けて順次機能を実装している段階にある。

ARIMEトップページ。サービス名は「ありがとうメッセージ」の略
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 生存確認と遺言メッセージの組み合わせはIT終活サービスのスタンダードといえるが、利用者からみると、ARIMEは生存確認手段とメッセージ送信の組み合わせが多岐にわたるところに特徴がある。

 ユーザーの生存確認は、リリース予定や有料オプションも含めて、メールへの返信のほか、FacebookやTwitterなどへのログイン、見守りセンサー搭載機器との連係、郵便物受領チェックなどが併用できる仕組み。各人のライフスタイルに合わせて追加の習慣を求めない工夫がなされている。メッセージも電子メールだけでなく、動画や音声データ、手書きの便せんなどが選べ、配信方法も調整可能だ。基本利用金は月額200円(税別)。ここにオプション料金が加わることがある。

 ARIMEの工夫は収益構造にある。利用者から直接収益を得る「BtoC」ではなく、「BtoB」に寄せているのだ。生命保険会社や不動産会社、見守り機器を販売する家電メーカー、介護施設などと提携し、各社が利用料金を支払う。提携各社は消費者に対して、実質無料でARIMEのサービスを提供する。モルカはこうした流れを想定している。

 ARIMEと提携することで、生命保険会社なら保険金の支払漏れの減少が見込めるし、不動産会社なら見守り機能付きという付加価値を付けて高齢者向けに住宅を販売したり賃貸したりできる。モルカは、そうしたメリットを企業に訴求して収益を拡大する意向だ。

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