この連載では主に、製品のレビューや仕事術について書いているが、今回はスマホの活用事例を紹介したい。今回取材したのは、東急電鉄だ。主に、鉄道事業本部電気部計画課の佐藤智仁氏に話を聞いた。

 東急電鉄が業務用端末としてiPhoneとiPadをそれぞれ1000台導入したのは、2015年11月のことだ。iPhoneを選んだのは、継続性を重視したからだという。確かに、他のスマホは機種が変わったり、メーカーがスマホ事業から撤退したりといった心配がある。

 駅員の仕事は、かなりアクティブだ。私たちはホームにいる駅員の姿を見慣れているが、ほかにも多くの駅員が駅の中を走り回っているという。だから、パソコンよりもスマホのほうが使いやすいというのは納得だ。

 当初の導入目的はトラブルなどの情報共有だった。スマホ以前は、デジカメで撮った問題箇所の写真をパソコンに取り込むなどして共有していた。このため作業に時間がかかっていた。事故などの情報はいち早く共有し、乗客に情報発信する必要がある。

 「トラブル時の情報共有を早くするよう、トップダウンで指示があった。さまざまな方法を検討したが、予算が限られることと導入までのスピード感を考慮し、iPhoneとiPad、そしてオンラインストレージの『Box』を利用することにした。『BoxNote』というツールを、主に使っている。写真を撮って素早く共有するという目標を、短期間で達成できた」(佐藤氏)。

 簡単にいうと、クラウド上のノートを共有しているわけだ。車掌と駅の係員が端末を持つことで、トラブルの状況を瞬時に共有できる。「無線頼み」からの脱却でもある。通常の運行情報もiPhone、iPadで確認できるようになっている。

現在は事故などの情報に加え、列車の運行情報を確認できるアプリも利用中だ。(撮影:アバンギャルド、以下同じ)
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