ソフトバンクロボティクスとソフトバンクは2016年5月19日、同社のロボット「Pepper」をAndroidに対応させると発表した。Androidへの対応によって、Androidの豊富なアプリ資産が利用できるほか、多くのAndroid開発者がPepperのアプリを開発できるようになるため、アプリ開発を一気に増やすことができる。だが一方で、Androidの導入は将来、ソフトバンクロボティクスにとって不利な要素をもたらす可能性もある。

Androidの開発環境でPepperのアプリ開発が可能に

 米グーグルは米国時間の2016年5月18日から20日にかけて、開発者向けのイベント「Google I/O」を開催した。この中でグーグルは、対話型の音声アシスタント「Google Assistant」や、それを用いた家庭用の音声アシスタントデバイス「Google Home」、そしてVRプラットフォームの「Daydream」など、いくつかの大きな発表を実施している。

 そしてGoogle I/Oの開催に合わせて、大きな発表を実施したのがソフトバンクロボティクスだ。同社はソフトバンクグループの中で人型ロボット「Pepper」を開発している企業だ。同社とソフトバンクは5月19日に、PeperをAndroidに対応させると発表したのだ(写真1)。

写真1●ソフトバンクロボティクスはPepperをAndroidに対応させると発表。胸のディスプレイ部分にAndroidが搭載され、Androidアプリが動作するようになる。写真は5月19日のソフトバンクロボティクス発表会より(筆者撮影)
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 Pepperは、ソフトバンク(旧ソフトバンクモバイル)とソフトバンクロボティクスヨーロッパ(旧アルデバランロボティクス)が共同で開発したロボットであり、ソフトバンクロボティクスヨーロッパが開発した「Naoqi」という独自のOSを採用している。それゆえ開発環境も、これまでは「Choregraphe」という独自のものが用いられてきた。

 だが今回の取り組みによって、Pepperは胸部のディスプレイ部分にAndroidを搭載。Naoqiと連携させることで、PepperをAndroidのアプリから制御できるようするという。さらにソフトバンクロボティクスは、5月19日よりAndroidの開発環境である「Android Studio」向けに、Pepperのアプリを開発するためのプラグイン「PepperSDK for Android Studio」の配布を開始。Android Studio上でPepperのアプリを開発できるだけでなく、PepperがなくてもPepperの動きを確認できるようになるという(写真2)。

写真2●「PepperSDK for Android Studio」を導入することで、Android Studio上でPepperのアプリを開発し、動作確認もできるとのこと。写真は5月19日のソフトバンクロボティクス発表会より(筆者撮影)
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 またAndroidに対応したことで、Androidの豊富なアプリ資産をPepper上で利用できるようになったことも大きい。2016年度内に発売されるAndroid対応版Pepperには、Google Playストアを含むグーグル製のアプリが標準で搭載されることから、Pepperとグーグル製アプリを連動させる取り組みも出てくるものと考えられる。

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