本インタビューでは,モバイル時代のサービスについて,モバイルサービスの現在の位置づけとそこから生まれてきたプラクティス,今後の方向性や日本企業や開発者の進む道についてさまざまな角度から議論した.

丸山 「モバイル時代のサービス」というテーマで,デジタルプラクティス論文をご執筆いただいた皆様,本日はお忙しいところお集まりいただきありがとうございます.スマートフォン,タブレット端末の急激な普及により,情報サービスの主役は,PCからモバイルデバイスに移行しつつあります.モバイルデバイスを活用する領域は,ゲームやSNSといったコンシューマ向けのサービスにとどまらず,かつてはIT利用の本丸であったエンタープライズの領域に拡大しようとしているのはご存知の通りです.このような状況で,皆様の想いと我々,企業,そして日本の進む道を議論できたらと思います.まず,お一人ずつ自己紹介と,論文で書こうとしたことや書けなかったことなどを簡単にお話していただけますか?

金子克之氏
1985年ソニー(株)入社以来,商品マーケティングに従事.海外を中心に活動し,アメリカ,オーストラリア,ヨーロッパ(ベルギー),ラテンアメリカ(マイアミ)駐在を経験.2010年ソニーモバイルコミュニケーションズ(ジャパン)(株)に異動.マーケティング部統括部長を経て現在コンパニオンプロダクト営業部長.ウェアラブル等周辺機器の営業・マーケティングに携わる.

金子 ソニーモバイルコミュニケーションズの金子と申します.私はもともとマーケティングの担当でして,新しい商品を導入するときには,マーケティングの目線でどうやって世の中に普及していくかということをエンジニアやデザイナーの皆さんと話をします.そこには,本来はカタログや広告宣伝マテリアルには書けないような話がたくさんあります.エンジニアやデザイナーの熱い話や商品に込められた想いを,マーケティングをやっている者の目を通してお伝えできたらと思い,この特集にかかわらせていただきました.

 デザイナーの「こういう商品を作りたい」,「こういうデザインでやりたい」という想い,エンジニアからの「こんな商品でこういう技術をぜひ入れたいのだ」,「こういうようにお客さんに使ってほしいのだ」という想いに直に触れ,感じたことがあります.それは,そのエンジニアやデザイナーの想いがシンプルで分かりやすければ分かりやすいほど,マーケティングの人間にとっては,「では,ここを立たせよう」,「ここを重点的に訴求するようなやり方をしよう」,「それに合ったメディアを選んでいこう」ということを考えやすいということです.他の皆様の論文とはだいぶ毛色が違うかと思うのですが,その辺のところを少しハイライトして書かせていただきたいなと思ったのが,今回の内容です.

丸山 ありがとうございます.次に丸木さんお願いします.

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