ユーザー企業のCIO(最高技術責任者)やシステム部長からITベンダーとの関わり方についての悩みを聞く機会が増えている。

 システム開発案件が小型になり、ITベンダーへの支払額が減っている。保守運用をITベンダーに委託している場合は、料金の引き下げを何度も要請してきた。それらの結果、ITベンダーから見て当社は良い客ではなくなりつつあり、今後ITベンダーと良好な関係を維持するのは難しくなるのではないか――。CIOやシステム部長の悩みはそんなところだ。

 日本企業のIT部門の多くは、システム開発だけでなく保守運用もITベンダーに依存している。それどころか最新技術に関する情報や活用事例の収集についても、取引関係のあるITベンダーに頼っているケースが多い。ITベンダーとの関係が疎遠になれば、IT部門の業務が回らなくなる恐れがある。IT部門の悩みは深い。

 実際「カネの切れ目が縁の切れ目」とも言える事例が増えている。以前このコラムでも紹介したが、個別のシステム保守運用案件からITベンダーが撤退する動きをWebサイトのITproで調査したところ、回答者の3割超が「撤退あるいは撤退の予定がある」とした。

 調査結果の詳細は2017年12月にITproで特集記事「極言暴論スペシャル! IT企業が顧客を見限る!」として掲載したが、撤退理由を端的に言うと2種類。常駐技術者の人件費も出ないほどの低料金に耐えかねたか、ベテランの技術者が離職した際の代わりがいないかのいずれかだ。

高まる常駐技術者の離職リスク

 冒頭のCIOやシステム部長は保守運用料金の値下げを強要してはいないという。だが「無理を聞いてもらった」との自覚はある。料金を元の水準に戻すか、少なくともこれ以上引き下げないようにしたいが、「経営者の理解が得られない」のだという。

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