消費者の生活で“デジタル”の占める割合が次第に高まっていく中、それに比例するように「メディア」と呼ばれるものが増え、また、アクセスするためのデバイスも増加してきた。これは言い換えれば、企業にとって「顧客接点が増えた」ということを意味している。昨今のデジタルマーケティングは、この増え続ける顧客接点を、いかにビジネスに結びつけ、効果的、かつ効率的に活用していくかが問われるようになってきている。

 現在、こういった動きは「クロスチャネル」や「オムニチャネル」と呼ばれ、複数の顧客接点を行き交う消費者の動きを分析し、具体的な施策につなげていく活動として、様々な試行錯誤が繰り広げられている。また、これらの分析をより深めていくために消費者が商品やブランドと接点を持ち、その後関心を持ち、購入意欲を喚起されて顧客化するまでの流れを旅に例え、消費者の行動や心理を時系列的に可視化する「カスタマージャーニー」を定義し、見極める活動も進んでいる。

 しかし、米イグニション・ワンと米調査会社フォレスター・リサーチが、昨年アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスにおいて、年間売上高5億ドル(約600億円)以上の企業のマーケティング職における意思決定者約200人を対象に実施した調査をまとめたリポートを見る限り、現実は、それほどうまくはいっていないようだ。

 このリポートによると、回答者の74%が「自分たちの組織で行われているクロスチャネルマーケティング施策はうまくいっていると思う」と答えている一方で、実際に「顧客接点やデバイスをまたいだ消費者の動きを分析するための環境が整っている」という回答は、わずか27%にとどまっている。つまり、感覚としてはうまくいっている(と思われる)が、実際のパフォーマンスはきちんと把握できていないという状況にある企業がほとんどだということを示している。

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